萌芽落花ノート
10 溶鉱炉について
己自身を熔かすほどの
愚かな熱を発して
溶鉱炉は
きうん きうん
夜泣きした
陽炎が昇り
景色は優しく揺れる
もっと熱くなれと
扉という扉は閉ざされた
ひとりぼっちになると
煙突ばかりが
夜空を焦がそうと夢見た
己自身を熔かす己は
爆発する前に
がた がた
震えた
寒いのかと
また思い出を焚いた
(終)
萌芽落花ノート
10 溶鉱炉について
己自身を熔かすほどの
愚かな熱を発して
溶鉱炉は
きうん きうん
夜泣きした
陽炎が昇り
景色は優しく揺れる
もっと熱くなれと
扉という扉は閉ざされた
ひとりぼっちになると
煙突ばかりが
夜空を焦がそうと夢見た
己自身を熔かす己は
爆発する前に
がた がた
震えた
寒いのかと
また思い出を焚いた
(終)