ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
本ブログは、一部の人にとって、愉快な表現が含まれています。

腐った林檎の匂いのする異星人と一緒 34 ゲーム(STAGE8 薄汚れたオルゴール)

2022-09-07 22:58:43 | 小説

   腐った林檎の匂いのする異星人と一緒

      34 ゲーム(STAGE8 薄汚れたオルゴール)

何度目の体験だろう。

あなたは小さな炎を空想する。それは、微かだが、いつか、この時空を焼き尽くすことのできる炎だ。

異星人どもは鍵を拾い、本のような箱あるいは箱のような本の隙間に差し込む。

それは箱でも本でもない。

開く。

音が広がる。

オルゴール? 

聞いたことのある音だ。鼓動のような、溜息のような、雑踏で、あるいは森林で、さもなければどこかの星で流れていそうだ、地下牢で。何度も聞いているみたい。でも、歌えない。歌ではないからか。

あなたは、薄汚れた異星人と一緒に、この奇妙な音をしばらく聞いていますか? 

(続)

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 聞き違い ~奇怪 | トップ | 聞き違い ~浅瀬 »
最新の画像もっと見る

小説」カテゴリの最新記事