腐った林檎の匂いのする異星人と一緒
34 ゲーム(STAGE8 薄汚れたオルゴール)
何度目の体験だろう。
あなたは小さな炎を空想する。それは、微かだが、いつか、この時空を焼き尽くすことのできる炎だ。
異星人どもは鍵を拾い、本のような箱あるいは箱のような本の隙間に差し込む。
それは箱でも本でもない。
開く。
音が広がる。
オルゴール?
聞いたことのある音だ。鼓動のような、溜息のような、雑踏で、あるいは森林で、さもなければどこかの星で流れていそうだ、地下牢で。何度も聞いているみたい。でも、歌えない。歌ではないからか。
あなたは、薄汚れた異星人と一緒に、この奇妙な音をしばらく聞いていますか?
(続)