どうすれば貧しさに対処できるだろう Ⅱ
自分の財産を評価する
では,失望に屈するしかないということでしょうか。決してそのようなことはありません。一つの積極的な手段として,自分の貧しさにではなく,自分の財産に注意を集中することができます。
なるほど,あなたはほとんど何も持っていないかもしれません。
しかし,トニー・レイク博士は「親族関係」という本の中で,「金銭的に貧しい人でも他の資産,例えば優しい家族や親しい隣人や幸せな家庭などを持っているものである」と述べています。
実際,そのような財産はお金よりも貴重です。「野菜の料理とそこに愛があれば,肥やし飼いにした牛とそれに憎しみが伴うのに勝る」という格言があります。
「愛がある家で野菜を食べる方が,憎しみの中で上等な牛肉*を食べるよりも良い」。
(箴言・格言 15:17)
クリスチャンの若者にはさらに別の価値ある財産があります。それは,「仲間の兄弟全体」からの支援です。
「あらゆる人を敬い,信仰で結ばれた兄弟たち全員を愛し,神を畏れ,王を敬ってください」。
(ペテロ第一 2:17)
あなたも物質的な所有物を,もっと積極的な観点からながめるよう努力できるでしょう。確かに,住んでいる家は簡素で,ことによると粗末かもしれません。
着ている服は古くてよれよれで,つぎはぎだらけかもしれません。もっと変化に富んだ食事をしたいと願うこともあるでしょう。でも,神に喜んでもらうために流行の服や凝った家が必要でしょうか。
健康な状態で生きてゆくのにごちそうは必要ですか。もちろん,必要ではありません。使徒パウロが述べたとおり,「食物と着る物があるなら,それで満足すべき」です。
「ですから,食物と衣服があれば,それで満足します」。
(テモテ第一 6:8)
南アフリカの貧しい家庭に育ったエルドレッドは,「家族が家計を切り詰めて生活していること,欲しいものがすべて手に入るわけではないことを受け入れるしかありませんでした」と述べます。
学校にはいて行くズボンがすり切れると,母親は決まってつぎを当ててくれるだけだったのをエルドレッドは覚えています。そうしているうちに,元の生地よりも,つぎはぎのほうが多いくらいになったものです。
「多少のいじめは耐えなければならなかった」ことをエルドレッドは認めています。「でも大切なのは,服が清潔で機能的であることでした」。
家庭での倹約
状況を改善するために実際的な手段を講じることもできます。聖書は,「金を得たらすぐ使う」愚か者について述べています。
「賢い人の家には貴重な宝と油があり,愚かな人は持っている物を浪費する」。
(箴言 21:20)
ですから,食べ物やお金,その他家庭内のどんな財産も無駄にしないよう注意することによって,賢く振る舞いましょう。
『人々が満腹になった時,イエスは弟子たちに言った。「余ったかけらを集め,何も無駄にならないようにしなさい」』。
(ヨハネ 6:12)
かけ事,アルコール飲料の乱用,喫煙などの習慣はお金の無駄遣いになるだけでなく,神に不快感を与えます。
「それで,愛する皆さん,私たちにはこのような約束があるのですから,体と精神のあらゆる汚れを除き去って自分を清め,神への畏れを抱いて神聖さを完成させていきましょう」。
(コリント第二 7:1)
家族の中にこの点で無分別に行動している人がいれば,あなた自身の振る舞いによって手本を示してください。
「あなたが若いからといって,誰にも見下されないようにしなさい。かえって,言葉や振る舞い,また愛,信仰,清さの点で,忠実な人たちの手本となってください」。
(テモテ第一 4:12)
家族の福祉に貢献する別の方法は,家事の面で親を手伝うことです。料理,掃除,修理,庭の手入れなどを進んで手伝いましょう。そうすれば,満足のゆく達成感を味わうことができます。
収入に貢献する へ続く>>>