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新聞からどのように益を得るか Ⅱ 難しさを理解する

2020年03月09日 | 日記

 

難しさを理解する

人はだれでも間違いをします。きわめて正直で,物事に熟達した専門職の人でも例外ではありません。
「3年の間フリーランスで事実調査に携わった」アリエル・ハートは,「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」(英語)にこう書いています。
「5ページものでも2節のものでも,何も間違いのない記事に出会ったことはない」。
間違いの例としては,「年数の少しのずれ,古すぎるデータ,つづり字のエラー,二次資料に基づいて広く報道されたが正確でないもの」などが挙げられています。

記者は不確かな情報源の問題とも取り組まなければなりません。時には,でっち上げの話が新聞社に流されることもあります。
1999年,ある人がいたずらをして,“お墓テーマパーク”に関するいんちき話を作り上げ,人目を引く偽開発業者のホームページと,質問に答える電話番号まで用意しました。
その電話では,開発会社のスポークスマンを装ってでたらめな応答をしました。AP通信社がこの作り話を見抜けなかったため,米国の幾つもの日刊紙がその話を掲載しました。
「好奇心を誘う話に,見た目の効果を大いに添え,とっぴながらも真実らしく見せること」が,こうしたいかさまを成功させているようです。

善意のジャーナリストも,常に正しい記事が書けるわけではありません。
ポーランドのあるジャーナリストはこう説明しています。
「記者は一般に大急ぎで仕事をする。新聞各社は競い合っている。どの社も他社に先駆けてのニュース報道を目指す。そのため,われわれの多くは,不本意ながら,調査の行き届かない記事を書くことになる」。

 

同調を迫る圧力

「報道の自由 2003 ― メディアの独立に関する世界調査」
(英語)は,193か国のうち115か国では報道の自由が少しも,あるいは部分的にしかない,としています。
とはいえ,報道の自由があるとされる国においてさえ,巧妙な情報操作の行なわれることがあります。

時々見られることとして,一部のジャーナリストは重要な情報を知る機会から全く締め出され,その一方で,足並みをそろえて要求に応じる記者たちだけが特別なインタビューに招かれ,
政治家の外遊への同行を許されたりします。

広告の収入が報道内容に影響することもあります。「広告主に何か不利な内容を編集者が掲載するならば,大きな収入源となっている広告を取りやめるとの脅しのかかることがある」
と,ポーランドのジャーナリストは述べました。

また,日本の一新聞の編集部員は,「偏りのない客観報道というものは実現が困難であることを念頭に置く」ようにとも忠告しています。

こうした実情を知って,どう思われるでしょうか。
『ジャーナリズムに専門に携わる人たち自身が,信頼性の高い記事を書く点でそのような難しさを抱えているなら,読者としては,信じられる事柄をどのように見極めたらよいのだろう』
とお考えになるかもしれません。


釣り合いの取れた見方が必要

確かに,識別力が必要です。
「耳は,言葉を試さないだろうか。上あごが食物を味わうように」と,族長ヨブは問いかけました。
(ヨブ 12:11)

読む人は,書かれている事柄をよく吟味して,そこに真実の響きがあるかどうかを見定めなければなりません。
いわば,試して正しいものを選び出すのが賢いことです。1世紀の,イエス・キリストの弟子の一人は,一群の人々の態度を称賛しました。
それは,使徒パウロの話に耳を傾けた後に,そこでパウロの教えた事柄が真実かどうか,教えの源となっているものと照らし合わせたからです。

「ここの人たちはテサロニケの人たちより心が広く,神の言葉を非常に意欲的に受け入れ,聞いたことがその通りかどうかと聖書を毎日注意深く調べた」。
(使徒 17:11)
「全てのことを確かめてください。立派なことを行い続けてください」。
(テサロニケ第一 5:21)

同じように,新聞を読む人も,次のような点を自問できるでしょう。
筆者はどんな背景の人だろうか。筆者には何か偏りがないだろうか。記事は他の人が確認できる具体的な事実を挙げているだろうか。真実を曲げようとしている人がいないだろうか。
加えて,別の情報源を調べて確認すると良いかもしれません。自分の読んだ事柄を他の人と話し合うこともできます。
「賢い者たちと共に歩んでいる者は賢くなる」と聖書の箴言は述べています。
(格言・箴言 13:20)

これと同時に,決して完ぺきさを期待すべきではありません。
すでに見てきたとおり,さまざまな要素が働いて,新聞がすべての点で客観的な記述をするのを妨げています。
それでも新聞は,世界でどんな事が起きているかについて伝えてくれます。最新の情報に通じるのは大切です。
わたしたちが生きているこの時代について,
イエスは,『ずっと目を覚ましていなさい』と言われたからです。
(マルコ 13:33)

それなりの限界はあるにしても,あなたがご覧になる新聞は,この点で助けになることでしょう。