聖書に出てくる女性たち ⅩⅤ
レア
どんな人? レアは族長ヤコブの最初の妻で,もう1人の妻はレアの妹ラケルでした。
『こうしてヤコブはラケルのために7年間働いたが,ラケルを愛していたので,ほんの数日のように思えた。ヤコブはラバンに言った。「約束の期間が終わりましたので,彼女と一緒にならせてください。彼女と関係を持たせてください」。そこでラバンは地元の人たち皆を集めて宴を催した。ところがその晩,ラバンは娘のレアをヤコブの所に連れていき,ヤコブがレアと関係を持つようにした。 ラバンはさらに,自分の召し使いの女性ジルパをレアの召し使いにした。翌朝,ヤコブが見ると,そこにいたのはレアだった。それでヤコブはラバンに言った。「何ということをしたのですか。私はラケルのために,あなたに仕えたのではなかったでしょうか。どうして私をだましたのですか」。ラバンは言った。「ここの習慣では,下の娘を長女より先に嫁にやることはしません。祝いの週をあの子と一緒に過ごしなさい。その後,下の子も妻にすることができます。ただし,その代わりもう7年働いてもらいます」。 ヤコブは言われた通り,祝いの週をレアと一緒に過ごした。その後,ラバンはラケルも妻としてヤコブに与えた。ラバンはさらに,自分の召し使いの女性ビルハをラケルの召し使いにした』。
(創世記 29:20~29)
何をした人か レアはヤコブの息子を6人産みました。
「すると,町の門の所にいた全ての人と長老たちは言った。『私たちは証人です! 神(エホバ,ヤハウェ)が,あなたの家に入るその妻を,ラケルとレアのようにしてくださいますように。この2人からイスラエル国民が生まれました。あなたがエフラタで豊かになり,ベツレヘムで名声を得ますように』」。
(ルツ 4:11)
ヤコブはラケルと結婚するつもりでしたが,彼女たちの父親ラバンはレアを与えました。ヤコブはだまされたことに気付いて抗議しますが,ラバンは下の娘を先に嫁にやる習慣がないと主張します。1週間後,ヤコブはラケルと結婚します。
『ラバンは答えた。「我々の所では、妹を姉より先に嫁がせることはしないのだ。とにかく,この一週間の婚礼の祝いを済ませなさい。そうすれば,妹の方もお前に嫁がせよう。だがもう七年間,うちで働いてもらわねばならない」ヤコブが,言われたとおり一週間の婚礼の祝いを済ませると,ラバンは下の娘のラケルもヤコブに妻として与えた』。
(創世記 29:26~28)
ヤコブはレアよりもラケルを愛しました。
「こうしてヤコブはラケルとも関係を持った。ヤコブはラケルをレアよりも愛した。そしてラバンにもう7年仕えた」。
(創世記 29:30)
レアは嫉妬に駆られ,ヤコブの愛情を求めて妹と張り合いました。神はレアの感情を気遣い,子供を7人与えて祝福しました。レアは息子6人と娘1人の母親になりました。
「主(神)は、レアが疎んじられているのを見て彼女の胎を開かれたが、ラケルには子供ができなかった」。
(創世記 29:31)
学べる教訓
レアは祈りによって神に頼りました。つらい状況に置かれていても,神が助けてくださっていることへの感謝を忘れませんでした。
『レアはみごもって,男の子を産み,その子をルベンと名づけた。それは彼女が,「主(神)が私の悩みをご覧になった。今こそ夫は私を愛するであろう」,と言ったか らである。彼女はまたみごもって,男の子を産み,「主(神)は私がきらわれているのを聞かれて,この子をも私に授けてくださった」と言って、その子をシメオンと名づけ た。彼女はまたみごもって,男の子を産み,「今度こそ,夫は私に結びつくだろう。私が彼に三人の子を産んだのだから」,と言った。それゆえ,その子はレビと呼 ばれた。彼女はまたみごもって,男の子を産み,「今度は主(神)をほめたたえよう」と言った。それゆえ,その子を彼女はユダと名づけた。それから彼女は子を産まなく なった』。
(創世記 9:32~35)
「その時レアは言った。『神は素晴らしい贈り物を下さった。これで夫は私のことを受け入れてくれる。あの人の子を6人も産んだのだから』。それで彼女はその子をゼブルンと名付けた」。
(創世記 30:20)
レアの生涯の記録は一夫多妻の害を明らかにしています。神が一夫多妻を許容していた時期もありましたが,神が認めている結婚の基準は一夫一婦です。
「イエスは答えた。『あなた方は読まなかったのですか。人間を創造した方は,初めから男性と女性に造り, 『それで,男は父と母から離れて妻にしっかり付き,2人は一体となる』と言いました。
それで,2人はもはや別々ではなく,一体です。ですから,神が結び合わせたものを,人が離してはなりません』」。
(マタイ 19:4~6)