聖書に出てくる女性たちから何を学べますか Ⅵ
ハンナ
どんな人? ハンナはエルカナの妻で,古代イスラエルの有名な預言者サムエルの母親でした。
「エフライムの山地のラマタイム・ツォフィムに1人の男性がいた。エフライムの人で名前をエルカナといった。父はエロハムで,順にさかのぼると,エリフ,トフ,ツフである。 エルカナには妻が2人いた。一方はハンナ,
もう一方はペニンナである。ペニンナには子供がいたが,ハンナには子供がいなかった」。
(サムエル第一 1:1,2)
「エルカナは犠牲を捧げたある日,妻ペニンナとその息子や娘たち皆に犠牲の中からそれぞれの分を与えた。一方,ハンナには特別の分を与えた。ハンナを愛していたからである。しかし神(エホバ,ヤハウェ)は彼女に子供を授けていなかった。しかも,彼女と張り合う妻ペニンナが彼女を傷つけようとして,神(エホバ,ヤハウェ)から子供を授かっていないことをしきりにあざけっていた。 毎年,神(エホバ,ヤハウェ)の家に上っていくたびにそのようにしていた。ハンナはひどくあざけられるので,泣いて,食事をしようとしなかった」。
(サムエル第一 1:4~7)
何をした人か 子供ができなかったハンナは,神に慰めを求めました。夫には妻が2人いて,もう1人の妻ペニンナには子供がいましたが,ハンナには何年たっても子供ができませんでした。
ハンナはペニンナからひどい嫌がらせを受け,神に慰めを祈り求めます。そして,もし男の子を授けてくださるなら,幕屋つまり崇拝のための移動式天幕での奉仕のためにその子を捧げます,と誓います。
『そして、誓いを立てて言った。「万軍の主(神)よ、はしための苦しみを御覧ください。はしために御心を留め、忘れることなく、男の子をお授けくださいますなら、 その子の一生を主におささげし、その子の頭には決してかみそりを当てません」。
(サムエル第一 1:11)
神は祈りに応え,ハンナはサムエルを産みます。ハンナは約束を守り,幕屋で奉仕させるために幼いサムエルを連れていきます。
『「この子のために、私は祈ったのです。主(神)は私がお願いしたとおり、私の願いをかなえてくださいました。それで私もまた、この子を主(神)にお渡しいたします。この子は一生涯、主(神)に渡されたものです」,こうして彼らはそこで主を礼拝した』。
(サムエル第一 1:27,28)
毎年,サムエルのために袖なしの上着を作っては届けました。その後ハンナは神に祝福され,3人の息子と2人の娘が生まれました。
『サムエルは、亜麻布のエフォドを着て、下働きとして主の御前に仕えていた。母は彼のために小さな上着を縫い、毎年、夫と一緒に年ごとのいけにえをささげに上って来るとき、それを届けた。エリはエルカナとその妻を祝福し、「主(神)に願って得たこの子の代わりに、主(神)があなたにこの妻による子供を授けてくださいますように」と言った。こうして彼ら は家に帰った。主(神)がハンナを顧みられたので、ハンナは身ごもり、息子を三人と娘を二人産んだ。少年サムエルは主のもとで成長した』。
(サムエル第一 2:18~21)
学べる教訓 ハンナは心から祈り,試練に耐えることができました。サムエル第一 2章1~10節にあるハンナの感謝の祈りには,神へのあつい信仰心がはっきりと表れています。
『ハンナは祈って言った。「私の心は主(神)を誇り、私の角は主(神)によって高く上がります。私の口は敵に向かって大きく開きます。私はあなたの救いを喜ぶからです。主(神)のように聖なる方はありません。あなたに並ぶ者はないからです。私たちの神のような岩はありません。高ぶって、多くを語ってはなりません。横柄なことばを口から出してはなりません。まことに主(神)は、すべてを知る神。そのみわざは確かです。勇士の弓が砕かれ、弱い者が力を帯び、食べ飽いた者がパンのために雇われ、飢えていた者が働きをやめ、不妊の女が七人の子を産み、多くの子を持つ女が、しおれてしまいます。主(神)は殺し、また生かし、よみに下し、また上げる。主(神)は、貧しくし、また富ませ、低くし、また高くするのです。主(神)は、弱い者をちりから起こし、貧しい人を、あくたから引き上げ、高貴な者とともに、すわらせ、彼らに栄光の位を継がせます。まことに、地の柱は主のも の、その上に主(神)は世界を据えられました。主(神)は聖徒たちの足を守られます。悪者どもは、やみの中に滅びうせます。まことに人は、おのれの力によっては勝てません。主(神)は、はむかう者を打ち砕き、その者に、天から雷鳴を響かせられます。主(神)は地の果て果てまでさばき、ご自分の王に力を授け、主(神)に油そそがれた者の角を高く 上げられます」。その後、エルカナはラマの自分の家に帰った。幼子は、祭司エリのもとで主に仕えていた』。
(サムエル第一 2:1~10)