伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

祇園祭・船鉾の曳き初め

2024年07月15日 | 祇園祭
メンバーシップに動画が上がったのでSNSは大騒ぎだが
そこはスルーして…、自分には祇園祭も大事なので…。

スケートっぽくないというかコンテンポラリーな感じだが
(あんまり面白くないコンテンポラリー的な?)
でも編集なしだし正式な仕上がりがどうなるか
創作意欲があるのと、忙しいのが何より。。



------------------------


祇園祭で山鉾が建った直後に行われる山鉾の曳き初めは、
四条通の曳き初めには行けなかったが、
翌日(13日)の新町通の曳き初めへは行って来た。
曳き初めとは本巡行に先がけて山鉾の試し曳きをすることである。


新町通の曳き初めには、
新町通に建つ船鉾、放下鉾、岩戸山の3基が参加する。
以前の合同巡行の時は北観音山・南観音山なども参加していたが、
前祭(さきまつり)と後祭に分離してからは
前祭の曳き初めは3基のみとなった。

新町通の曳き初めは3時ころから始まると聞いていたので、
地下鉄でそのころ四条烏丸へ行き、船鉾を目指した。
曳き初めが3基しか出ないので一番目立つ船鉾を目指すことにしたのだ。

雨が降らないかと心配だったが、幸い曇り空で、雨は降らずに済んだ。
曳き初めには久しぶりに行く。
見物人が沢山いることもあり、相変わらずカメラは満足に撮れなかったが…



船鉾は四条新町下ル、仏光寺通あたりに建っている。
地下鉄四条駅を降りて新町通まで行き、
少し下がると沢山の見物人と共に船鉾が見えて来る。




新町通は狭い通りなので通りいっぱいに鉾が威容を見せていた。
鉾の姿を見るだけでテンションが上がる。
曇り空なのもあり懸装品はビニールで覆われていたが、
巡行まではビニールで保護されていることが多い。
梅雨の真っただ中なのでいつ雨が降ってもいいようにだろう。


弾き初めは本巡行とは違い、一般の人も鉾を曳くことが出来るので、
その曳き手の人たちで狭い新町通がいっぱいで、
身動きが取れないほどだった。



到着した時はまだ音頭取りの人はいなくて、
鉾を曳く縄もまだ準備されていなかった。
待っているうちに準備が整い、音頭取りの人が鉾に乗った。




待つ間は長く感じるし、しんどいが、
この待ち時間も山鉾巡行(の曳き初め)のもしかしたら醍醐味かもしれない。
ワクワクしながら始まる時を皆で待っているからだ。


お囃子が大音量で流され聞こえて来ると、
皆がいっせいにカメラやスマホをかまえてシャッターを切る。
というより、みな動画を撮ってる。
バシバシとシャッター音を響かせているのは私一人だった。






目の前を通る船鉾に向かって夢中になってシャッターを切っていたので、
祇園囃子や音頭取りの人のエンヤラヤーの声、
目の前を通り過ぎてゆく鉾の迫力を感じている暇すらなかった。
つくづく駄目な自分(>_<)


それでも目の前をギシギシと音を立てて動く鉾は迫力満点で、
圧倒された。





何度見ても新たに圧倒される。
それほどの迫力だ。
久しぶりに本物の動く音を聞いたのでよけいすごかった。


船鉾は名前の通り船の形をしている。
他の鉾とは形が違って船そっくりに作られているのが人気の鉾だ。



目の前を通る船鉾にのけ反りそうになりながら、
懸命にシャッターを切った。





動くまではなかなか時間がかかるが動き始めたらあっという間で、
目の前を通り過ぎてゆく時も大迫力なのだ。



後ろからは岩戸山が同じように四条通へ向って動いていた。
見物人で一杯なので岩戸山へは近づけない。
しかたないので今回は船鉾一基だけに的を絞る。


船鉾が仏光寺通から四条通まで上がってゆくのに後ろからついてゆき、
四条通の手前に到着した。
(船鉾の)曳き初めは四条まで上がると、
そこからまた船鉾の会所まで下がってゆく。
辻回しはしないで、音頭取りの人が鉾の後ろ側へ乗って、
後ろへ曳いてゆくという、後ずさりする方法で戻ってゆく。
狭いので方向転換が出来ないのだ。
(四条通の曳き初めも同様)

船鉾が四条通まで進むと、
四条通を挟んで北側には放下鉾が見えた。



放下鉾の曳き初めも見たい。
四条通の北側へ行きたい。
そう思ったが通行止めなどがしてあって、北側へは行けなかった。
そうこうしているうちに放下鉾はさっさともと来た会所まで動き始めた。

船鉾はしばらくは四条通にそのままで留まって、
見物人のカメラに収まっていたが、
放下鉾は留まっていなかった。

そんなわけで残念ながら今年の曳き初めは船鉾を見ただけだった。
それでも船鉾の動くさまを間近で見たのは久しぶりだったので、
その迫力満点の威容に改めて圧倒されっぱなしだった。





帰りに菊水鉾へ寄る。
ビニールに覆われているが、懸装品が良く見えた。



宵々山も宵山も雨模様のようだ。
大した雨でなければ良いが…、
巡行の日は今のところ曇りで気温もそう高くないようだ。





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祇園祭・鉾建て2024

2024年07月13日 | 祇園祭
すでに四条通には祇園祭の山鉾が並び立ち、鉾の曳き初めも終わってるが、
先日、四条烏丸へ行って「鉾建て」を見て来た。


雨が降るかと思っていたが曇り空だったので行く気になった。
雨だと傘を差しながら写真を撮るのがとても難しい。
だから雨が降らないと判断して行くことにしたのだ。






去年は足の甲を骨折していたため自由に歩けず、
祇園祭も行かなかったが、
今年こそ現地へ行って少しは山鉾を見ておきたい。
腰の痛みはますます酷いが(>_<)、それでも見たい。
すぐ近くで(地下鉄で一駅)鉾が建っているのだもの。
そんなわけで地下鉄で四条烏丸まで行き、山鉾町へ向った。




行ったのは四条烏丸の西側、
まず四条烏丸の西北側にすぐ見える函谷鉾。
四条通に飾られている提灯に祇園祭のムードが高まっていた。



行った時はすでに函谷鉾は建ち上がっていて、四条通に聳え立っていた。
木材がむき出しのままで飾り付けられていない鉾の様子は、
鉾建ての時ならでは。
この時しか見られない。
もちろん飾り付けられて完成した山鉾が本来の山鉾であることは言うまでもないが、
まだ飾られていない、骨組みがむき出しの、
木の質感がそのまま見られる鉾も好きなのだ。
塗りを施されていない白木のようなものと言えば良いのか。





鉾をまさに組み立てている最中に行けば、
作事方の仕事が間近に見られる。
意外と若いお兄さんたちが真剣に、何ごとか合図をしあったり、
時間を気にせずにただ黙々と仕事をしている。
巨大な鉾の屋根に上りつつ組み立てている職人たちの迫力には
圧倒されるばかりだった。
間近で見ると、改めて圧倒されてしまった。
それだから鉾建てが好きなのだった。



四条通を室町通りまで歩き、菊水鉾へ行く。
ここはまだ鉾が横倒しになっていて鉾上げはまだだった。




鉾は横倒しのまま土台に真木を差し込み、飾り付けてゆく。
そうして真木(しんぎ)の飾り付けが済むと鉾を起こして立ち上がらせる。
骨組みだけの鉾を見るのも面白いのだ。

菊水鉾の鉾頭(ほこがしら)も間近で見られる。
菊水だから文字通り菊の形の鉾頭である。




釘を使わず、縄だけで組み上げてゆく「縄がらみ」を見られるのも、
鉾建ての時のみだ。
完成すれば懸装品に隠れてしまうからだ。
縄がらみの美しさは例えようもないと思っている。
作事方の職人の技が込められているし、
鉾建ての最中に行けば、その技が間近で見ることが出来る。



四条通に戻ったら、月鉾の立ち上げの真っ最中だった。
というか、ほぼ立ち上がっている時だった。
通りの反対側から見たので、遠くからになってしまった。
立ち上げは近くで最初から見たかったが、立ち上げは待ってくれない。
途中からでもいいや、と思い、
必死にシャッターを押した。


音頭取りの人がエンヤラヤーと言いながら扇子を振りながら指図していた。
もう少し早く来ていれば始めから見られたのに、と後悔したが、
立ち上げはタイミングで、いつ、どの鉾が何時に立ち上るかは予想できない。
現場へ行ってみないことには分からないのだ。
毎年行っていると大体この鉾は何時ころ立ち上がるか、は分かるのかもしれない。
まだまだ修行が足りない(>_<)。



月鉾が完全に立ち上がると、周囲のあちこちのギャラリーから拍手が自然と起こる。
自分もスマホを持ちながら一生懸命拍手した。
月鉾の鉾頭までの高さは隣に聳えるビルよりまだ高い。( ゚Д゚)

鉾建ても一種の見世物というか、祇園祭の見どころの一つなので、
こうして周囲で見ているみんなで鉾建てを見守るのもまた、楽しい。




新町通まで行くと、すでに雑貨店では山鉾のミニチュアや団扇を売っていた。
祇園祭ムードがすでに盛り上がってた。



新町通に建つのは放下鉾。
私の凄く好きな鉾のひとつである。
ここはまだ骨組みの縄がらみも完成しておらず、途中だった。
新町通はいつも鉾建ても曳き初めも四条通の鉾より一日遅い。


放下鉾の会所は古い会所の形を残していて
京都市の指定有形文化財に指定されているほど、価値のある町家だ。
会所の前には案内の看板も出ている。


宵山へ行けるかどうか分からないが、行けたならまた入りたい会所だ。
2階は母屋から祇園祭時期のみ奥の蔵(土蔵)へ渡り廊下が渡される。
その光景が素晴らしく、毎年訪れたいと思ってしまうのだ。

今年は放下鉾は宵山では一般拝観者は搭乗出来ないことになったと
新聞に出ていた。
部材が江戸時代の200年くらい前のものをそのまま使っていたため、
古くなりすぎ、劣化していて搭乗に耐えられない可能性があるため、という。
(順次、新しい部材に取り換え中)
放下鉾は男性しか搭乗出来ないので自分はもとから入れないが、
そんなに古い部材をずっと使い続けていたとは、
改めて驚くばかりである。





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日越外交50周年と祇園祭

2023年08月31日 | 祇園祭

2023年は日本とベトナムが外交関係樹立50周年の年だそうだ。


7月24日の祇園祭・後祭に巡行する大船鉾の軒下に、
ベトナム製の幕が新しく制作され、飾られることになった、と
祇園祭があった月、7月に京都新聞の記事で見たことがあった。



大船鉾は祇園祭・後祭のしんがりをゆく、後祭では唯一の鉾だ。
後祭に出る山鉾は全11基で、あとはすべて山だ。
大船鉾は長い間休み鉾だったが2014年に復活を遂げ、
依頼、後祭の巡行に参加した。
未だ復興途中であり、屋根の漆塗りや、舳先の竜頭、
装飾などを毎年時間をかけて再興し続けている。
軒下幕の新調もその一環だとは理解していた。




(有料記事だが─)
京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1072622
京都・祇園祭の大船鉾にベトナムから「龍の幕」寄贈 
宮廷刺しゅうの技術で表現
2023年7月23日 6:30


…その時はなぜベトナム製の軒下幕なのだろう?
なぜわざわざベトナム製のものを飾ることになったのだろう、と思っていたが、
ベトナム国営放送VOVが
ベトナムとの外交関係樹立50周年を記念した事業として、
祇園祭の幕を作ることになり、
ベトナム人の伝統刺繍作家・ジョイさんに制作の依頼をした、
ということだったらしい。


カンテレ(関西テレビ)ではそのジョイさんと大船鉾に取材をしたようで、
先日特別番組が放送された。

「日本×ベトナム絆の旅 祇園祭がつなぐ異文化交流」
というタイトルの番組だ。


番組自体はカンテレの男性アナウンサーがベトナムへ行き、
そこで案内役のベトナム人の美女モデルマイ・ゴさんと、
ベトナムのグルメや観光名所などを巡り、
観光地の旅番組のような造りではあったが、
ベトナムと日本との古くからの交流を紹介もしていた。


案内役のマイ・ゴさんは大変な美女で、
ベトナムの民族衣装アオザイを着て登場した時は
驚くほど美しかった。
アオザイは世界の民族衣装の中でもトップクラスの美しい衣装だろう。


番組はベトナムとは400年も前から交流があったとか、
祇園祭に関係のないエピソードや現地でのロケもあったが、
大船鉾に使われる龍の文様の軒下幕の制作過程と、
刺繍作家のジョイさんに直接取材しているのが貴重だった。


ジョイさんは日本でいう人間国宝級の人で、
ベトナムで唯一認められた、
皇帝衣装の刺繍をする伝統技法の継承者だそうだ。
博物館に飾られている皇帝衣装の複製も彼の作だという。

皇帝の衣装の真ん中には龍の文様が刺繍されている。
大船鉾の軒下幕が龍の文様なのも、
ジョイさんが龍の刺繍を得意としていたからこその依頼だったように思う。


そのジョイさんが祇園祭・大船鉾の制作中の、
幕の刺繍をしている所を番組はなんと取材していた。

カンテレがあの大船鉾の軒下幕を
ベトナム人が制作していることをあらかじめ知っていたことや、
直接作者に取材していたことも驚いたが、、


大船鉾の巡行当日、
つまり7月24日の祇園祭・後祭の山鉾巡行にも
ジョイさんは来日していて、除幕式にも参加していたのだった。
番組ではその様子もしっかり放送していたし、
巡行当日、大船鉾の巡行を見守るジョイさんにも密着していた。





軒下幕とは、鉾の屋根の下にかかる幕のことである。


巡行当日は案内役の美女・マイ・ゴさんも来日していて、
着物姿でカンテレアナウンサーと宵山や、巡行を楽しんでいた。
カンテレはあらかじめすべてお膳立てしていたのだ。

それでもマイ・ゴさんはもとより、
軒下幕の作者・ジョイさんが山鉾巡行当日、
大船鉾が自分の目の前を通り、
ダイナミックな辻回しをする様子を見て、
自分の作った軒下幕が巨大な鉾を飾り、
ゆらゆら揺られている様子を見て、
感激しているのは、番組の見どころであった。

幕を作った当人が巡行を見ることが出来て、
鉾を飾る装飾を見ることが出来て本当に良かった。



2023年の祇園祭は左足甲を骨折してギプスをしたままだったので、
宵山期間の会所巡りも断念した。
前祭も後祭も行かなかった。

後祭が復活してから後祭の会所巡りをしたことはまだなかったと思う。
後祭には豪華な装飾品で飾られた鯉山が出る。

前祭・後祭が合同巡行していた時には鯉山の会所へ行き、
重要文化財の懸装品、タペストリーを見るのが楽しみだった。
巡行当日は復元新調されたレプリカを掲げて練り歩くので、
本物の重要文化財のタペストリーは会所飾りでしかお目にかかれない。
だから鯉山の会所へ行くのが楽しみだったのだ。


いつかまた、健康になった時、
そして暑さにめげないでいたなら、もう一度鯉山の会所へ行きたい。
それが目下の夢だ。

もちろん復活を遂げた大船鉾もこの目で間近に見てみたい。
そしてベトナム製の幕を直に見てみたい。


(写真は京都新聞より)



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文化庁職員が見た祇園祭

2023年07月23日 | 祇園祭


京都は猛暑日が全国で一番多い都市だとNHKで言っていた。
どおりで暑いはずだ(>_<)。
湿気は減って来たものの、毎日うだるような暑さ。
夜でも暑さが引かない。
エアコンをつけると電気代が一気にぐんと上がるし…
それでもつけずにはいられない(>_<)。




そして…祇園祭も後祭となった。
後祭は宵山に屋台は出なくて静かなはずだ。
行きたいが、我慢して家でテレビを見ることに。

後祭には重要文化財のタペストリーを持つ鯉山が出る。
会所で重文の懸装品を飾っていて、いつも楽しみに見に行っていた。
巡行の際には復元新調したものを飾り付ける。
いつも楽しみにしていた山だ。
テレビでその姿を見ることにする…。



------------





すでに終わった前祭(さきまつり)で、長刀鉾の曳き初めに
文化庁の職員の人たちが参加していたことは
テレビのニュースで報じていたので知っていた。



今年、いろいろ紆余曲折があったものの、
文化庁の一部が京都に移転して来て、その職員の人たちに、
せっかくだから京都の祭・祇園祭を体験してもらったのだと思っていた。

曳き初めというのは山鉾が組み上がった時に、
本巡行(前祭は17日)の練習として
4日前くらいに一般の人が参加して鉾を試し曳きすることだ。

長刀鉾では本番どおりにお稚児さんも乗り込む。
(衣装は普段着用だが)
その曳き初めに文化庁の職員の人たち何人かが参加していたのだ。


後日、NHK京都放送局が夕方6時半から放送しているニュース番組、
「京いちにち」で、「文化庁職員が見た祇園祭」という特集を放送した。
文化庁職員さんが体験した祇園祭を詳しく放送したのだ。

というか、祇園祭に参加した文化庁の職員さんが、
参加してどう感じたか、どうだったかをすごく詳しく特集していた。


インタビューに応じてくれたのは文化庁政策課の係長だということだ。
東京から4ヶ月前に移転して来た。

彼は長刀鉾の曳き初めだけではなく、
最初から、─長刀鉾の切符入りなどの神事から参加していた。
伝統の儀式やしきたりに、律儀に始めから参加していたのだ。

「文化庁のことを知ってもらいつつ、
みなさんのことを少しずつ知って、根付いていけたら」
という思いで祇園祭へ参加することを希望したそうだ。



この若い係長は文化庁の人だけあって、すごく真面目だ。
「勉強して皆様に迷惑のないように、
歴史の重みを合わせて曳きたいと思ってる」
─とか、
ひたすら腰が低い。。

長刀鉾の曳き初めの時は、途中から土砂降りの雨が降っていた。
この係長もずぶ濡れになりながら最後まで綱を離さなかった。
真面目だ…。

「町衆の長刀鉾の皆様にご迷惑がかからないように、
文化庁の看板に泥を塗らないように曳かせていただきたい」

─なんと低姿勢な。


それに比べて長刀鉾保存会の役員の人は、
(多分生粋の京都人)
「文化庁さん、まだ存在感ないし」(ひどい)、
とか言っていて、京都人のイケズ全開だし。
男の人でも京都人はイケズなんだ・・。
係長の人があんなに真面目なのに気の毒に…。
1150年の歴史がどうのこうの、と言ってくれてるのに。。

京都人は自分たちが世界で一番えらいと思っているからなぁ・・・。
文化庁?、それが何か?
というメンタリティの持ち主だし💦。
やたらに偉そうで…。
それでも役員さんがイヤミを言うのはそれだけ親しみを感じてる、
ということでもある。
係長さん、・・めげないでください(;^ω^)。


(しかしよく考えれば自分にも役員さんのような気質はある。
頑固で意固地で権威になびかない。自分の主義を崩さず、貫く。
これはもしかして京都人的要素なのかな?
自分は京都市民ではあるが京都人ではない。
でもかなり京都人的考え方に毒されているかも…)




この文化庁の係長さんを始め、職員の人たちはなんと、
17日の山鉾の本巡行にも参加した。
長刀鉾の曳き手として巡行を支えたのだ。

当日、京都は37度まで気温が上がり、灼熱の中での巡行となった。
曳き手はなんと、昔ながらのわらじを履いて鉾を曳く。
わらじに足袋といういでたちでアスファルトの道を、
10トンもある長刀鉾を町中、4時間もかけて曳いて回って来たのだ。

鉾を曳く綱の摩擦で手に水ぶくれが出来てしまったそうだ…。
想定以上に過酷な巡行だったのだ。

係長さんは巡行が終わったあと、
「1150年続くものを途絶えさせてはいけない、という強い思いが・・・
手を抜くことは簡単なんですけど、
そうは出来ない所が重みだと思います」、と。

なんといういじらしい💦感想だろう。
そして伝統の重みを感じてくれているようだ。

(正確に言うと祇園祭が山鉾巡行を行うようになったのは、
室町時代からで1150年も前ではなく、6、700年前くらいなのだが…)


なんか、生真面目な係長さんにすっかりほだされてしまった。
続けて分かるものだと思うので、来年も曳いてみたいとも言っていた。
4時間もかかる真夏の過酷な巡行なのに…。
こんなに山鉾の伝統を感じてくれていることに、
その真面目さに、京都に来てくれてありがとうと言いたくなった。

文化庁としては、
今回の経験を全国各地の地域に残る祭りの支援に活かしていきたいという。

京都市民の憧れでもある山鉾巡行への参加。
今回の経験を是非全国での支援へと活かしていただきたいと思う。



NHKプラス 京いちにち 特集・祇園祭に学ぶ
配信期限 :7/27(木) 午後6:59 まで
https://plus.nhk.jp/watch/st/260_g1_2023072049987?playlist_id=1c9c6e61-84b6-4311-af20-a1edf3ad198b




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祇園祭2023山鉾巡行

2023年07月17日 | 祇園祭
祇園祭の山鉾巡行をKBS京都で見た。
BS放送のBSイレブンでも9時から放送していた。

今年の実況アナウンサーは女性アナで、
とても歯切れがよくて、分かりやすくて話す内容も的確で好感度大だった。
ゲストは高島礼子、解説におなじみの八木透先生。

時間になるとやっぱりヘリがぶんぶん飛んでいて、
山鉾巡行を取材しているのだなあと思った。


京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1069162
京都・祇園祭 前祭の山鉾巡行始まる 長刀鉾先頭に23基


京都新聞より


京都新聞より動画もあった(4分ほど)↓

【祇園祭2023】前祭・山鉾巡行(2023年7月17日)
京都新聞メディア局
https://youtu.be/kWv8rHnAoG8



16日の宵山には34万人の人出があったそうだ。
多いのか少ないのか分からない(;^ω^)が、
その前の宵々山は28万人だったとか。
やっぱりすごい人出だったようだ。
(お祭り好きの大阪あたりからデート代わりに来る人が多いのだ)




今年の長刀鉾のお稚児さんはしっかりしていて、
とても意欲的で責任感もあり、凛としている。
まさに適役で、堂々としていて、
まるでお稚児さんに選ばれるために生まれて来たかのような少年だ。
(いいとこのお坊ちゃん(^^))

八坂神社への白馬に乗った稚児社参の時から、
きりりとしていてしっかり前だけを向いて、顔を動かさず、よそ見をしない。
1ヶ月間の間で研鑽を積み、
稚児の所作を身に着けていったであろうことが良く分かる。
立派なお稚児さんで、注連縄切りも一発で華麗に決めた。
思わずテレビ画面に向かって拍手した(^^


巡行の最前列で裃を着て、行列に参加して歩いていた人の中に、
文化庁の長官・都倉俊一がいた。

今年、文化庁が京都に移転して来たので、
長官も参加してもらったのだろう。
KBSの遠藤奈美アナウンサーがインタビューまでしていた。
KBS、グッジョブやん(^^

インタビューでは都倉長官は、
巡行の行列に参加出来て「感無量」と言っていた。
裃を着せてもらって気が引き締まったようだ。


函谷鉾は前掛けがモン・サンミッシェル、
見送り(後ろ掛け)がエジプト天空図という、
皆川泰蔵さんの作品にして来た。
函谷鉾の前掛けは重要文化財の
「イサクに水を供するリベカ」を復元新調したものでなく、
別のものにしたとは…

会所で飾っておいて、本番では違うものにして来た。
会所では本物と復元新調したものを両方展示していたのだ。
函谷鉾は沢山の懸装品を持っているから、
こういうことも出来るのだ。

重要文化財の「イサクの・・・」は16世紀ベルギー製のもので、
普段は復元新調された、色鮮やかな方を鉾の前に掛けて巡行していた。
今年は皆川泰蔵さんに敬意を表したのかな。


菊水鉾は懸装品に新しく作った大黒天のシリーズではなく、
昔の前掛け、胴掛け、見送りをつけていた!
見送りは皆川月華の「孔雀花草図」だった。
やはり昔のものも大事にしていて見て欲しかったに違いない。
私も菊水鉾は前の胴掛け、見送りの方が好きなのだ。


放火鉾では稚児人形の稚児舞をじっくり映してくれた\(^o^)/
放火鉾の稚児人形・三光丸くんは人形で唯一、
稚児舞を舞ってくれるレアな鉾で大好きなのでうれしい。
(3人の人形遣いの人たちの手で動くからくり仕掛けがしてある)

そして放火鉾の水引が新調されたことも紹介していた。
京都新聞でも取り上げていたが、
8年かけて与謝蕪村の下絵をもとに作り上げたものを、
今年お披露目したのだ。
(これまでは水色がベースの「華厳宗祖師絵伝」を下絵にした
綴れ織りだった)
これを会所で見たかったが…
でも稚児舞をテレビ画面で見られたので満足だ(^^。


船鉾が進んでくると、巡行もお終いだ。
船鉾は前祭のしんがりをゆくのだ。
今年は快晴で良く晴れていたから、
船鉾の後ろに大漁旗が3本、掲げられていた。
曇りだったり、雨が降るとこの大漁旗は掲げられないので、
4年ぶりに制限なしに例年通り敢行された巡行に相応しい門出だった。



放送の最後には恒例の門川大作京都市長のインタビューもあった。
門川市長は毎年、くじ改めの時の奉行役を務める。

今年の生中継はくじ改めを中心に中継していたと思う。
四条河原町の辻回しがあまり映らなくて、
辻回しの最後、完全に方向転換したあと、
河原町通りを進んでゆく鉾の姿は今年は見ることは出来なかった。


それでもインタビューやゲストの発言、
中継地でのアナなど、ストレスのない中継だった。

あとでNHKのニュースで
函谷鉾と長刀鉾の辻回しを(ちゃんぽんで)放送していて、
それを録画しておいたのでとりあえず良かった。
とりあえず辻回しは捕獲出来た。



宵山では宵山限定発売の「行者餅」が発売されたそうで
(これまではコロナ禍を除き、毎年発売されていた)、
それを求めて長い行列が出来、3時間待ちだったそうだ。
それでも売り切れてしまい、買えなかった人が沢山いたという。

また京都駅では相変わらず清水寺行きの市バスに長い行列で、
最後尾はここ、という看板を持った整理係の人まで登場した。


京都は暑い。
日中は36度を超える猛暑日だ。
宵山を楽しんだ人も巡行を見に来た人も、
暑くて大変だっただろう。お疲れさまでした。

家にいても暑くて消耗するくらいだし、
熱中症にも気を付けねば…。





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