前回は大震災の被害の甚大さに冷静さを失い、
かなりうわずった書き方になってしまった。
自分の個人的なこともあり、
出ない言葉を無理やりに捻り出した。
でも、世間ではいつの間にか時が過ぎ、
気がつけばもう桜が満開になっている。
季節が巡ればいつもの年と同じように春が来て、
桜が咲くのだ。
それは残酷なことのようでもあり、自然の摂理でもある。
まだ、冬のコートを着ていたのに
高瀬川の桜は今を盛りと咲いていた。
どこかに桜を見に行けない時、
いつも木屋町高瀬川に桜を見に行っていた。
町の中の、薄暗い、ビルの谷間に咲く桜である。
でもソメイヨシノはいっせいに満開になって、
高瀬川沿いを咲き誇る。
見に行って良かったと思った。
見に行かない時でも
今ごろあそこは満開だろうと思うと少しほっとする。
少し安心して、少し心が解きほぐれる。
毎年同じように行われる自然の理は、
自分の方がどんな状態でも変りなくそれは行われる。
それに救われる。それに心が安らぐ。
特に桜は心慰めてくれるような気がする。
桜を見に行くのは悪くない。
いろんなところの桜を見て来たけれど、
飽くことはない。
まだ見ていないところも沢山あるだろう。
いつか見られると良いなあと思いながら、
一番好きな高瀬川の桜を今年も見た。
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