主な登場人物は、木野と神田(カンダでなく、カミタ)。その他に、木野の奥さん、位か?物語は、木野が出張で出掛けていて、予定より一日早く帰ってきて、妻が会社の同僚と浮気の現場を発見するところから始まる。木野は、翌日には会社を辞めて、妻とも離婚をすすめる。
退職金を使って、伯母が体調を崩して引っ越しするので、自宅兼店を譲り受け、バーに改造する。広告も出さないので、始めはお客も来なかったが、徐々に来るようになった。神田はそこのお客さん。神田は伯母が、様子を見てもらうことを頼んだ伯母の知人だった。ある時、店のお客(ヤクザっぽい二人)が大きな声で、口論を始める。木野は、他のお客(神田)に迷惑をかけるので、静かにしてくれないかと注意する。木野とお客二人の闘いに発展しそうになる。神田は、伯母が用心棒みたいに使っていたのかもしれない。その場は、神田が丸めたようですが、その様子はありません。
野良猫が来るようになって、店に居着きます。店もそれなりに繁盛します。しかし、ある時から猫は来なくなって、蛇が姿を見せるようになります。神田が来て、店をしばらく閉めて、どっか遠くへ行くように言います。ヤクザっぽいお客が、なにかよくないことをたくらんでしたのでしょうか?この辺からよく分からなくなります。ヤクザっぽい二人とバーの経営になにか関係があるのかもしれません。とにかく、木野は神田が言ってたとおり、店を閉めて、逃げるような旅に出ます。神田が指示したとおり、絵葉書を出しますが、自分の存在が消えてしまいそうになって、文面を書いた絵葉書を送ります。
作者は、何を言いたかったのか?多分ですが、妻が同僚と浮気をしていたとしても、それが二人の生活を分けてしまう原因になる得るのか?後半で妻がわびているので、許すことが出来なかったのか?許せることによって、失わないで済んだことも有ったのではないか?と、言いたかったと思いますが…。あくまで物語の感想です。自分のことではありませんので。(笑)
この木野では、「両義的」という言葉が出てきます。少し調べると、やや哲学的な意味を持っているようです。木野がヤクザみたい男の女性と、一夜をともにするのですが、その後の心境が書かれています。
以下引用。
木野は彼女が雨の夜に一人きりで店にやって来ることを恐れ、同時に心の奥でそれを密かに求めてもいた。