短いので2回読みました。登場人物は3人。谷村(主人公)、木樽明義、その女友達の栗谷えりか。少ない。青春時代の思い出のように書かれてます。場面は、ワインの試飲会です。そこで栗谷えりかと偶然会うのですが、2度しか逢ったことのない彼女を思い出します。彼女も、谷村のことを覚えています。
主人公と木樽との出会いは、谷村が大学2年でのアルバイト先です。木樽は、東京の田園調布の出身。谷村は、神戸の近く、芦屋の出身。似たような一見裕福そうな場所の出です。谷村は、大学に入ってから、関西弁を全く使いません。木樽は、東京出身でありながら、関西弁をマスタして、それのみ使います。立場は違うように思えますが、自分としては同じ人生観を持っている二人に思えます。
木樽は、早稲田に入ろうとしてますが、浪人2年目です。女友達の栗谷は、上智に入っていて、サークル活動など、自分の身丈にあった活動をしているみたいです。木樽は、頭はいいのかもしれませんが、こだわりが強いと言うか?他人の意見をあまり聞き入れません。勉強もしません。運が悪いだけと、思っているフシがあります。自分的には、多少は有っても、運が全てではないでしょう。主人公は、それほど勉強した覚えはないようですが、現役合格のようです。どの小説でも、主人公は、読書好きで、自分から見ても、結構優秀な人物として描かれてます。春樹さんのことですかね?。
谷村(主人公)と木樽は友達関係になっていきます。木樽も浪人である自分と栗谷の関係を見つめ直したいと、考えて、友達の谷村に栗谷と付き合うことをお願いして、栗田も承知します。初デートで、いきなり栗谷は同じサークルの先輩と付き合っているとこを知らされます。木樽は勘が鋭いと書かれてますので、薄々感づいていて、谷村に栗谷と付き合うことをお願いしたのかもしれません。
また、栗谷は自分の見た夢について話します。木樽と船室の小さい窓から、氷でできた月の話をします。その月とは一体何でしょう。青春時代の夢とか希望、または恐れ、そういったことの象徴かもしれません。
木樽は独身で、アメリカで寿司職人をしているようですし、栗谷も独身で仕事を生きがいに頑張っているようです。
昨日は/一昨日の明日で/明日の一昨日…、木樽のイエスタデイの原作とは似ても似つかない、解釈です。替え歌ですかね?
ワインの試飲会場で流れていた曲:ライク・サムワン・イン・ラブ