運用は控えている430MHz帯・FMのメインローカルで『災害時の非常通信』が話題になっています。また動画サイトでも、非常通信を取り上げている方が多く見受けられます。私の考えを述べます。
【写真:アマチュア無線家は『素人』の『ボランティア活動』です】
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◆災害時の通信体制が、できていないのが実情です。
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漠然と『災害時にはムセンが役立つ』というのは『素人考え』です。
開局して47年間、私は『非常通信』は聞いたことがありません。
登山中に『非常、非常』をワッチされた方もいらっしゃるようですが、
この場合『非常通信』なのか『遭難通信』なのか、はっきりしません。
要は『OSO』なのか『SOS』なのか・・・?。
▲いちおう、遭難通信(遭難信号)のWikipediaをリンクしておきます。
動画サイトでは『非常通信周波数をワッチ』とか話されています。
また、JARLのサイトでも『同様のこと』を会長名で書かれています。
能登半島地震で、非常通信が行われたのかはわかりません。
今回の地震は、今までの震災とは『また別格の災害』と感じます。
・半島という地形
・高齢者が多く
・過疎化が深刻
素人が『何かしなければ!』という範疇を超えていると思っています。
災害、とりわけ『大規模な地震災害』は『長期化するもの』です。
都市型災害は、人口も多く犠牲者も増えました(兵庫県南部地震)。
東北の場合は、津波被害が甚大だったのも記憶に新しいです。
熊本の場合は、大きな地震が連発しました。
同じパターンの災害というものは、ありません。
1,機動力
2,専門性
3,ロジスティクス能力
ここまで準備しておかないと、非常通信のみならず、
復旧や復興に『ボランティア』で活動するのは『かえって足手まとい』です。
能登半島地震に対して、
私の知る限り『無線業界は動きがない』と映ります。
半島という地形や幹線道路の寸断箇所が異常に多く、
まだまだ自衛隊、消防、警察、各自治体の活動範疇です。
アウトドア用品メーカーは、少し動きがありましたが。
称賛の声も上がっていますが、
避難者全員に行きわたるほどの物資供与まではやっていません。
報道の映像からは『TV局の取材陣がアウトドア用防寒服を着ている』だけ。
アウトレットに回す予定だった『在庫品を処分しただけ』に見えます。
避難所で、アウトドア用ギアが活用されている映像は皆無です。
メーカーも商売をやっていますから、無償供与も限りがあります。
1,機動力
2,専門性
3,ロジスティクス能力
しつこいですが、この『3つ』が揃わないといけません。
JARLも、非常通信マニュアルを作っていますが、
▼『どうだかなぁ』という程度です。
報道も3週間続くと『共感疲れ』になるのは仕方がありません。
アマチュア無線の非常通信に関しては、
ほぼ例外なく『素人のボランティア活動』です。
なかなかうまく機能しないのは、
・平時から行政とのコミュニケーションも取れていないこと
・行政と相互乗り入れできる無線周波数を決めていないこと
・災害時のためにアマチュア無線をやっているのではないこと
・誰(災害対策本部)が『命令』や『依頼』を出すのか
・どこに、どのように、何を伝えるのかが決まっていない
要は『指揮命令系統』が平時から構築されていないことです。
また、素人が情報を垂れ流すのではなく、
きちんと情報を精査して、公的機関が伝えるか伝えないかの判断をすること。
体裁だけ、行政と協定書を交わしていても『構成員が高齢者ばかり』では、
そんな組織は機能しないと、誰が見てもわかることです。
素人の浅知恵では、なかなか難しいのが『非常通信』だと、私は考えます。
毎度おおきに。ほんじゃーね!!
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