前にジュピター8とフェド2b(ユピテル8とフェト2b)の
事を書いた。(以下”この玉”)
カメラの方は、オリジナルである物をキチンと整備に出して、
ライカLやその他L39マウントレンズがキチンと使えるよう
になった。
だが別に買ったこの玉は、一枚目が擦り傷だらけで、絞れば問
題ないのだが精神衛生上よくない。
もう一個持っていた同じ玉は、綺麗だがヘリコイドが渋く具合
が悪い。
なので中身だけきれいな方の玉に入れ替えることにしたのだ。
仕事は簡単だ。
レンズユニットとヘリコイドを「エイや」と回すとヘリコイド
だけ残してレンズユニットだけ外れる。
で、調子のいい物同士をまたねじ込むだけなのだが、ここでひ
とつ問題が出る。
画像の一番下にあるシムワッシャで焦点微調整をしているので
ある。
と言う事はおそらくヘリコイドを基準とし、レンズユニットの
出具合でピントの調節をしているか、もしくはその逆である。
レンズ基準だとしても、この手のヘリコイドで調節するのはめ
んどくさい。
ひょっとしたらどちらにも基準がなく適当な組み合わせにシム
で調節しているのかもしれないが、そこまで適当ではなくどち
らかが基準なのだろう。
しかし実に合理的かつ簡単な調合法であるがそれで問題はない。
で、迷った挙句、使いたい方の玉を優先し、使える方のヘリコ
イドとシムを組んだ。
ちなみに使いたい方(写真奥)の方は対外用の様で”JUPIT
ER”の表記で銅色のコ-ティングがされていて、ヘリコイドに
は誇らしげに”MADE IN USSR”とある。
使えない方(写真でバラけている部品)はЮпитерと明記され
ていてヘリコイドに何も表記がなく青色のコーティングがされ
ている。
対外用なのか仕様変更なのかは分らないがどっちも中身はコー
ティング以外は一緒である。
(写真でバラケているのはUSSRのヘリコイドとЮпитер-8
のレンズとそれに付いていたシムである:既に交換した残骸)
実写は、頭の片隅にはあったが思ったとおりの見事な後ピンの
連続であった。
F4
狛犬のあごの下の向かって左側のウズウズのピントを合わせた
のだが実際ピントが来ているのは一番右の奥の20センチくら
い向こうである。
と言う事は、もっと実際は距離計の示すジャスピンよりもレン
ズ本体は繰り出していなければならないわけで、レンズを組む
時に、元々使いたい方のレンズに付いていたシムを入れなけれ
ばならなかったのである。
なぜならそれは、一番上に写っているシムのそれよりもかなり
厚みのある物だったからだ。
この結果の状態から、厚みのあるシムに入れ替えれば、同じヘ
リコイドの位置でもその厚み分レンズユニットは前へ出るわけ
で、思うに丁度好い所に来る計算である。
と言う事はどうもヘリコイドは悪くない、無罪であるらしい。
早速元々レンズとペアだったシムに入れ替えたが今度はもう大
丈夫だろう。
カメラ自体は、他のL39レンズでも試写済みでOKであるか
らこれでよしとしよう。