https://www.afpbb.com/articles/-/3252395
NETFLIXが名指しで批判されている。確かにNETFLIXは世界で有名な動画配信サービスだがこれは例えに使えばわかりやすいという理由で俎上に上がっただけで、競合するPrime VideoやHuluも同様の悪だ。この記事では”動画配信サービスを使う人が増えたのでサーバーを増強する必要がある、ゆえにサーバーから出る熱と消耗する電気のぶんだけ二酸化炭素が増える”ということを言っている。つまり動画配信サービスに限った話ではない。Youtubeもまた巨大なサーバーのおかげで動画のアーカイブやリアルタイム通信の遅延に対応している。そしてサーバーを増やすことでの熱と電気の問題なら、現在の地球の環境に於いてネットがつながらないという土地の方が少ないだろうし、今の需要の多さや潜在的な需要を考えればサーバーの必要性はさらに高まるだろう。5Gの技術によってさらにリアルタイムでの通信の重要性が高まっている。リンク先の遅延が大きい場合そのサイトの訪問自体敬遠されるという統計からも、遅延につながる貧弱なサーバーではいられないということになる。それだけ電気も食うし熱も出る。つまりこれはインターネットサービス全体の問題なのだ。
だからインターネットの利用を控える、という生活ができるだろうか。現在のアナログからデジタルに移行していくなかで紙を使う機会も減り、そのコンテンツの持ち歩きもネットによるものになりつつある中で、(タブレットとスマホに移行する層があっても)パソコンを使わないという選択はないし、サーバーを全く使わずデータの保管や取り出しを行うという選択もない。自社でメンテナンスしてなくても、レンタルサーバを利用するところは多いだろう。そしてそのレンタルサーバの貸し出しという需要は増えることはあっても減ることはない以上、そこで発生する熱と消耗する電気は莫大な物になる。そこでストリーミング視聴を抑えたところで全体の中でどれほどの意味があるのか。
この記事で確かにその通りなのは大型モニタは電気を食うということだ。31.5型のモニタが40W使わないか程度のところで40型は80W前後消費する。タブレットが20Wいかないことを考えればモニタだけで100W近く使う(当然パソコンなら本体はもっと電気を食う)家電は熱と電気を消耗するだろう。だがそれも液晶テレビに比べれば同程度だし、そのテレビがプラズマやブラウン管だったらさらに差は開くだろう。
そもそもビデオオンデマンドというのは嘘だ。好きな動画を見たくても配信されていないことなどざらだし、新規開拓の為にオリジナル動画を作ったりしているが映像技術は良いがシナリオやキャストがそこまでマッチしないのも珍しくない。サービス業である以上、結局レンタルビデオ同様に需要がなければ配信停止するし、そもそもソフト化してないコンテンツのデジタル配信などそうそうあるものではない。つまりどこに行っても見れるのは見れるし、珍しいものは見れないのだ。ビデオを録画してあるとかで個人所有している人がきまぐれでYoutubeに(訴えられる可能性があるにも関わらず)アップしてくれるのを期待するしかないものもある。そもそもレトロな作品なら会社が潰れてどこが権利を買ったか分からないものもあるだろうし。
結局動画配信サービスなんかを抑えたところで人間の欲求としてネット通信を使った物の需要は増える一方だ。文明が荒廃してネット動画どころではなくなる世紀末なら話は別だろうが、そうした環境が地球に優しいかは分からない。現実的にはクリーンエネルギーや発熱と電気消耗を抑えたハードの技術革新に期待するしかないだろう。
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