「鉄拳7」を弱いなりに勝ったり負けたりしながら戦ってきたが、時間のリソースを他に割くべきと思うようになる。
もともと鉄拳7を遊び始めたときには6やTTT2からの延長線上のもので、つまりリリや飛鳥を主に使っていたのだが、TTT2以降そのキャラを使っていても楽しいと思う機会が減り、キャラ設定やガワに不満があったのでMODを入れたりして弄んでいた。
本腰を入れて鉄拳7に取り組みギースを使うようになったきっかけは、鉄拳プロゲーマーのチクリン氏が鉄拳7のシーズン3(2019年8月下旬~)からの性能変更によってネガティブな発言を繰り返したことによる。チクリン氏はROX'N ROLLで韓国のLowHigh氏を破り優勝したのが2019年前半の一大シーンだったと思う。韓国という鉄拳を語る必然性のある国で行われた、韓国のプロゲーマーチームのROX DRAGON主催の大会で、新進気鋭のシャヒーン使いのLowHigh氏に勝ち切り優勝するというとんでもないことを成し遂げたのがチクリンの操るギースだった。
鉄拳のプロゲーマーといえば有名なのは日本ではノビ氏、韓国ではKnee氏だが、私は彼らの死体蹴り上等なプレイスタイルが大嫌いだった。そしてその糞忌々しい死体蹴りを国際大会でも幅を利かせてやっていたのが鉄拳というゲームなので、国際大会とかプロスポーツとか言いつつ蛮行が行われているみっともない動物園だった。かつてラウンド終わったら操作不能にするべきとNBGIにメールを送ったこともあったが2020年に至ってもCPUは相変わらずKOされた自キャラを嬉々として追い打ちするし、せいぜい相手のKO後の動作を見えなくするキャラクリパーツをつけるよりほかなかった。そしてキャラクリなどない大会では当然死体蹴りの横行する山積みされた糞の山のような光景が鉄拳というゲームだったので、KO後に余計なことをしない上に怒濤の強さを持ったチクリンという存在は私にとって一陣の風だった。
私はただチクリン氏の使うギースを動画で見ているだけでよかった。しかしシーズン3による性能調整によって細かく打ち込む技の発生フレーム・硬直時間が延ばされ全体的に重たくなり、ゲージの回収が文字通り半減された。代わりに飛翔日輪斬の搭載によるコンボ組み込みのスクリューが容易になったほかレイジアーツのデッドリーレイブが固定ダメージ15増えるという大雑把な調整によって爆発的な火力を持つに至った。が言うなればロマンキャラになったというのが所見なので、どんなに高いダメージを持っていても先に殴られて潰されれば無意味な以上、横移動や当身投げによる攻勢という、相手キャラクターの技派生や手癖・得意技を見極めるディフェンス能力を求められるようになった。
この頃からチクリン氏は以前使っていた仁に戻り大会に出るようになり、いわばギースを見切るようになる。またギースを使い大会出場するようになったのは冬にかけて、つまりTekken World TourもFINALを迎えようとしていたあたりになる。
私にとって憧れのチクリンギースは本人が貶めるような状況になり、結局大会動画では相変わらず”三島家とその他”のような風景だったので動画を漁るのにも限界がきた。なので、せめて自分だけは憧れのギースによって強さを持っていようと思いDLCのギースを買ってプレイするようになる。CPU相手でも鉄拳神どころが拳王にもならない腕前だったし、オンライン対戦に至っては武者を超えたことなどなかった。がコンボを覚えて、とりわけ壁コンを安定して選択できるようになってからは安定した勝利を得られるようになった。が、それでもギースの仕様である細かい下段がないこと、パワークラッシュの邪影拳にウォールバウンド(ワイヤーフレーム)がないこと、他キャラの3RPに代表されるちょっとした浮かせ技がないこと、空中コンボのダメージが他キャラより10も低いこと、などが苦しみを醸成させていたが、それでも自分でコンボをできるようになり勝てるようになるのは楽しかった。
それまでオンラインで100戦0勝だったが、CPU相手にはおよそ勝てるようになったギースをオンライン対戦に投じた。3段から上に行くまで100勝費やしたが、それまでさらに100敗以上費やした。横移動でかわすことができない、下段を咎める方法を知らない、下段捌きからのコンボを知らない、相手の空中動作に置きジャブを当ててからの追撃を知らない、とにかく知らないことが多かったが、戦っているうちに覚えることもある程度できるようになった。
剛拳・魔拳に入ったころは300勝くらいだったがそこから上に行くのに700~800勝かかった。羅刹に行った頃には1000勝かかった。1200勝くらいからして玄武に行ったり羅豪に落ちたりするようになった。1600勝する頃には白虎に上がったり玄武に落ちたりを繰り返した。羅豪まで上がって剛拳まで落ちた時には鉄拳をやめようと思ったが、1週間して思い直しリハビリしつつ玄武まで上がることはできた。だがそこから上の相手には歯が立たなかった。そもそもギースは嫌われている。リマッチなしの遭遇戦ばかりの日もざらだ。それでもロールキックやロシアンフックアサルトを中段当身取って差し返しが決まった時は手ごたえを感じた。三島一八とドラグノフばかりのオンライン対戦だが珍しいキャラと連戦する機会があったのも楽しかった。
対戦相手も普通ばかりでもない。煽りプレイに偏る舐め腐ったカスもいれば、ダウンしてようが波動拳を撃つだけの機械となった豪鬼や、後ろに歩いてこちらが近づいたら崩拳を撃つだけのポールも結構いた。普通に戦っても回線を切られることもそれなりにあった。対戦相手の質は段数では選べない。
リロイスミスという新キャラの性能は露骨を極めてかなり下方修正されたが、その後出てきたファーカムラムという新キャラはリロイほどではないにしても大概な性能だ。そのバブリーな性能調整に翻弄される時間も多くなった。厨性能なキャラほど立ち合いという概念のない雑な押し付けをしてくるし、咎めようにも不利が少ないのでやりたい放題だ。
対戦相手にケチをつけるのはナンセンスだ。とプレイヤーは言うのだろう。負けるのは弱いからと。キャラ対策できてないからと。それは事実だ。私はたいして強くない。
が、もう一つの事実が頭を占める機会が多くなった。
人生の時間には限りがある。たかがゲームに歯噛みして時間と情熱を費やすのは、時間と情熱の無駄だ。自分の人生においてゲームは「たかがゲーム」だ。なぜ不快なものを真正面から受け止め、時間と情熱を賭け心を砕かなければならないのか。
ゲームのためにストレスをためて頭の中はケース対策とルート研究に費やされる。その時間をクリエイティブな、例えば執筆したりプログラムや現物を作ったり、動画を作ってみたり、収入と一致させる挙動にしたほうがお金という明確なリワードがある。ゲームプレイで投げ銭を得ているなら違う考えも起きるかもしれない。が私にそれはなく、ただプレイしているだけなのだ。相手にゲームで勝つという作業工程しか残らない。何より鉄拳以外にもゲームはたくさんあるのだ。不快になるためにゲームをするなら楽しい他のゲームをすればいいだけの話だ。
私にとって鉄拳は代替の利く有象無象のゲームのうちの一つとなり、かつて持っていた憧憬や切望は死に絶えた。
もう動けない相手をボコボコにしてるキャラクターの姿も単純にダサい
トドメを刺したらそれでバシっと終わる方が絶対にカッコイイ
ストリートファイターなどの場合、トドメの瞬間に時間が止まって、そこからキャラごとのポージングになりますがアレが本当にいいと思います
課金はまだしも、課金してないキャラとランクマでマッチングするということは銭払わないとわからんごろしの連続だと原田の意思表示でしょう
基本自分はスポーツは好きですが、それが競技となった瞬間大体が動物園化(卓球の雄叫びとか)するのでeスポーツ(笑)もその例に漏れないですね
そもそも勝ったときの台詞自体が煽り文章なのが変わってないのがクソ
長文失礼しました
そのまま通り過ぎるにせよ、再び歩くにせよとりあえずお疲れ様