実際問題オンラインゲームの収益確保は、人間が飯を食わないとそのうち死ぬくらいの至上命題だ。オンラインでデータのやりとりをする以上、サーバーの維持費もバカにならないし、新しい企画によって課金される要素(新キャラのガチャとか、イベント走るためのアイテム購入とか)が見込めるとはいえ、まず先に新キャラのイラスト・音声の発注とかそれに付随するシナリオの執筆とか、出て行く物があってから収益が見込める。そういう基礎体力の落ちた、例えば”復刻イベントの頻度が高まる”とかの要員があるとちょっときな臭くなってきたというのがわかる。
で、「戦国プロヴィデンス サービス終了のお知らせ」と来た。来てしまった。
DMMのセールスランキングでは低調で、他がAV女優の写真を使ったカードゲームみたいなもの(どう考えてもゲームは副業)なのを思えば危険水域に近いところだったが、それに加えて来年2020年にFlashのサポートが完全に終了するのでHTML5に改修する必要が絶対不可避だった。つまり手間がすごくかかる。来年どうなるのかという話は以前から質問としてあったが、そのときには「アプリ版含めて開発中です」ということだった。今となっては本当かどうかわからないが、いずれにしても直して新たな状態でどうにかするより畳んだ方が良いという結論になったということだ。
今年に入ってゲーム内のコンテンツの実装遅れが目立つようになり、釈明のコメントをプロデューサーがするという場面も何度か有ったが、今後こうこうしますという話も掲載したりしていたので、今後は対話型で運営していくんだろうと呑気にも考えていた。
ともあれ11/29にサービスが終わる。思えば自分にとってつなぎのコンテンツにしては実用的で楽しめたと思う。
最初DMM GAMESに対するとっかかりは「艦これ」だった。
今はどうか知らないが、当時(アニメ1年くらい前)爆発的な人気によってサーバー圧迫の為、新規プレイのユーザーは抽選という状態で、抽選日の0時にログインできれば抽選対象・そうでなければまた今度という状態だった。私はしばらく抽選から外されていて、どうも自分にとって縁のないコンテンツみたいだと思っていたが自分のPCの時間が15分早かったのでログインできなかったという可能性が出てきて、PCの時計をインターネットによる同期を受けるように設定したらログインできるようになった。これは秘書艦というパーティ1(第一艦隊)のリーダーが24時間の中で0時0分とか1時0分とかに対応するセリフを発するというギミックのために、サーバー側と自分のPCで時刻を揃える必要があったためだ。
まあ要は「艦これ」の抽選に洩れちゃったけど他に何もしないのもなあ、ということでたまたま目についた「戦国プロヴィデンス」を遊んでみることにしたのだ。まるっきり無作為かというとそうでもなく、当時のスマホゲーのみならずラノベでも、それはもう戦国武将の女体化というのは雨後の筍のごとく林立していて、嘲る意見もあったし自分も割とそっち側だったので、まあ気構えなく手頃なところに突っ込んでいこうという気持ちで遊び始めた。
実際のところ後に遊んだものと比較しても「戦プロ」は”当たり”だった。
ゲームシステムがシンプルでわかりやすく、逆に後発のゲームは育成とか戦闘のシステムを凝りすぎて煩雑にしてしまっていたので、素直に遊べると言うことがそれだけでアドバンテージだったと思う。課金要素はシンプルにリミテッドガチャとアイテムの購入がメインで、キャラクターの所持枠を広げるために有料アイテムを買わないといけないという阿漕なことはしなかった。逆にガチャによる収益が主軸になっていたので、「艦これ」のようにガチャ要素一切なし・設備アイテムに対する課金というものよりキャラクターの魅力という部分に依存しなければいけないものだった。そのキャラクターの位置づけが他よりかなり強いとかイベント中3倍強いとかが結構多いのも特徴で、往々にして当初からいるキャラより後発の方が根本的なキャラステータス・技性能に優れている、少年漫画の戦闘力インフレのような状態になってしまうので、イベントが終わった後のキャラの処遇が愛着のみとなるのが常だった。そこを上手くキャラクターの出自ごとに強化・弱体の設定のある(織田家が強い、今川家が弱いとか)グループ対戦や勝ち残り戦を催すことでカバーしていたので、旧来のキャラも育てておけば戦力として勘定できるというフォローがあった。
反面、レベルアップ素材(たぬき)・ステータス育成素材(きつね)がキャラクター扱いだったのでキャラ所持枠を圧迫する、というシステムは今年になるまでそのままだったり改修の余地も多かった。
まあ多少足りないところはあるが変に凝ったシステムではないので遊びやすいゲームではあったのだ。去年からBGMのバリエーションも増やしたり音質改善したりしていたので、古いままほったらかしというわけでは全く無かった。上の素材がキャラ枠を圧迫する問題も今年改善されたので。しかしながら、その今年からキャラクターエピソードが実装され損なうということをちょくちょく致すようになったので、制作陣にやる気はあったけど金がね…ということだったのだろうと思う。
オンラインゲームのサービスが終わる時、ソフトとして存在するものは手元に残るがオンラインゲームはせいぜい攻略wikiしか残らない、ということが常々実感させられる。3年8ヶ月という運営はDMM全体を見てもかなりのロングランだったが、消費増税とかゲームに関わるすべてのものに負担が増えた部分もあったし、今が畳みどきだったのかもしれない。