Joy Yoga

中東イスラエルでの暮らしの中で、ヨガを通して出会う出来事あるいは想いなど。

書くことについて

2011-11-16 21:58:32 | 日記
私は文章を書くことが大の苦手でした。
書くことに限らず、読むことも然り。
それがいつからかそれほど苦ではなくなっていました。
とは言っても、読書感想文という宿題をもらわなくなってしまってからのことですが。

今振り返れば、学生時代に交わした友人たちとの言葉のやりとりが私の苦手意識を解消してくれたように思います。それは他愛ない日常の会話であったり、手紙であったりするのですが、言葉というものに自分の感性を託して発信する面白さというものをそこで学びました。
当時私は専ら受け取る側にいましたが、たまに自分からも小出しにしてみるうちに徐々に人に伝える楽しさというものを覚えていきます。
おかげでこうして今ではブログを書くまでになったのですが、このブログを書くことで「伝えること」の他にも大きな作用があることに最近気が付きました。

それは「自分を整理すること」

私の普段の会話は家族とばかり。しかもその家族というのがイスラエル人の夫と12歳と10歳になる二人の子供たち。「日本語による大人の会話」がどうにもこうにも成り立たない相手ばかりなので、今ひとつ心の機微を出し切れない感じが拭えません。
ま、でも、そこは自分で選んだ家族ですからね。
そんなわけで、日頃いろんなことが心に浮かんできても思うようにアウトプットできない環境にいるというのはご想像いただけるかと思います。

移住当初はもちろん、今でもそれはちょっとしたストレスなのですが、そうそう容易には発信できない環境に置かれていることで、内省したり熟考したりする力が少しは向上したかなと感じています。以前はもっとこう感情に引っ張り込まれ、それこそが生きている証だと思うようなタイプの人間でした。


このブログを書くにあたって私が大事にしていることのひとつに、読む人にとって分かり易いことというのがあります。
それは私自身が読むのが苦手だったから。

起承転結という大まかな骨格から始まり、文章の流れ、言い回し、誤字の有無、そして句読点の配置という細かい部分までを一から点検する作業をしています。
この作業には高校の卒業式で卒業生総代で答辞を読むという大役を仰せつかった時に、当時の担任の国語の先生が作文の苦手な私に付きっきりで指導してくださった経験が活かされています。どうやって話に広がりや奥行きを持たせるのか、どう書けば聞き手に情景を思い浮かべてもらえるのか、というのを根気よく教えていただいたのを20年以上経った今でも覚えています。

年齢の割にはまだまだ拙さの目立つ文章ですが、それなりにその時の経験を活かし、「本当にそう思ってる?」「なんだか違う意味合いに受け取れるんだけど」などと自分に問いかけながら書き上げていくようにしています。
読む人に分かるようにとやっている作業が、その行程で心に浮かんできたまとまりのない想いを客観的にまとめていき、結果的には自分を整理することに繋がっているというのが面白いところです。


ひと言で言うなら「自己完結力」とでもいうのかな。
自分の立ち位置を確認し、そして納得する力。
見知らぬどなたかが読んでくださっている可能性がある場だからこそ養われている力だと思っています。



ナマステ&シャローム
Nozomi

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど! (あきのさくら)
2011-11-19 18:28:36
Nozomiちゃんの文章、
とっても読みやすい理由がわかりました。

しかも、読みやすいだけでなく、
やわらかくて、でも毅然としていて、
やさしいんだよなぁ。
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☆ あきのさくらさん ☆ (Nozomi)
2011-11-20 02:07:49
さくら姉さん、ありがとうございます。
気の知れた間柄ではついつい毒を吐いてしまいますが、現在は「毒を吐いても一人」というシチュエーションが多いので、一人二役で中和せねばなりませぬ。
ちゃんと中和できてるかどうかを次の再会時に判定していただければ、と。(笑)
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Unknown (G)
2011-11-20 10:08:44
いつもきちんとしていて、ほんとにさわやかな風が吹いているなぁと感じてます。

高潔な風という感じ。

これからも書き続けてください。
それによって僕も座標を確認することだって
できるのです。ありがとう。
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☆ Gさん ☆ (Nozomi)
2011-11-21 00:43:35
お礼を言いたいのはむしろこちらのほう。
ほのかに余韻を漂わせるあなたの言葉の選び方やその紡ぎ方に学ぶところがとても多いのです。

久しぶりに切手を貼った手書きの書簡で風を送りたくなりました。
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