ロマンチック地獄…★

演説大会。
30人ちょっとの参加者と、100人くらいのギャラリー。
ニャヤヨとイシダも参加した。

テーマは「私の中国物語」。
あたしの内容はこんな感じ。

中国に留学したからには、中国人になりたい！ 中国国籍をとりたいというわけではなく、他の人から見てあたしが外人だとわからないようにしたい。
中国人になるために、まず何をするべき？ 当然、中国語を磨くこと。あたしの発音をできるだけ現地の人に近づける。これは一番重要。
中国語をマスターした後、中国人になるために、あと何をする？ とりあえず中国人を観察して考えよう。中国に来て気付いたけど、中国人はパーソナルスペースの概念がないみたい。（…中略）じゃあ、あたしもこの概念をなくそう。そうすればもっと彼らと深く交流できるかも。
中国人は、混雑も平気！（…中略）
中国人になるために、中国人を理解するために、あとは何をするべき？ 当然、中国人と恋愛をすること。相手はあたしと年の近いイケメンがいい。あたしたちは燃えるような恋をする。杭州西湖の船の上で満天の星を眺め、西安の城壁の上で歴史に触れ、手に手を取って泰山に登り未来を語る…超ロマンチック！
じゃあ中国のイケメンと出会うには、何をするべき？ やっぱり、中国語をがんばること。あたしの中国物語は始まったばかり…。

いざ壇上に立つと、もう緊張すること！
早口になっているのがわかるのにコントロールできない。
中盤で少し落ち着いたところで、恋愛のくだり。場が少し和んだ。
「燃えるような恋を…」このあたりまでは良かった。「杭州西湖の…」語ろうとした時、あたしは吹き出してしまった。
急に恥ずかしくなって、自分で笑えて笑えて、なかなか次の言葉が出ない。
１人で笑っているあたしを見て会場がどっと沸いた。一番ウケたことはウケた。

「何で笑ってたの？」みんなが聞く。先生も聞く。だって、恋人を仮想して２人で「満天の星を眺めて」って……文章で書く分にはいいけど、みんなの前で発表するとちょっとイタいよ。

あたしの３人あとはのイシダの出番。ヤツのまあ堂々としたこと。
相当練習した様子。原稿を見ないで流暢に喋る喋る。

結果発表。
１等は２人。イシダは見事１等を獲った。
あたしは３等。３等と言っても２等が何人もいるから十何番目かなんだけど。
ニャヤヨは２等だった。ニャヤヨに負けた。くやしい。