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『ユー・アー・マイン』 サマンサ・ヘイズ (著),奥村章子 (翻訳)

2018年04月20日 19時51分00秒 | ■読書
イギリスの作家「サマンサ・ヘイズ」の長篇ミステリ作品『ユー・アー・マイン(原題:Until You're Mine)』を読みました。


「ディック・フランシス」「フェリックス・フランシス」との父子共著含む)、「ミネット・ウォルターズ」に続きイギリスのミステリ作品です。

-----story-------------
夫、妻、双子の男児、そしてもうすぐ女児が生まれる幸せな家。
そこに一人のベビーシッターがやってきた―33歳の「ゾーイ」は、巧みに反抗的な双子をてなずけ、夫は彼女を信頼するようになる。
が、妊婦の「クローディア」には何かがひっかかる。
ひそかに家の中の何かが微妙に変わっていく。
その頃、街では妊婦が残忍な手口で惨殺される事件が起き、さらに同様の事件が…全世界の女性をうならせた、衝撃の結末が待つサスペンス。
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臨月の妊婦が腹を裂かれ胎児を取り出すという猟奇的な殺人事件が発生… ちょうどその頃、社会福祉事務所のソーシャルワーカーで、まもなく女児が誕生予定の「クローディア・モーガン-ブラウン」と、その夫で軍人の「ジェイムズ」は、双子の「オスカー」「ノア」の住み込みのベビーシッターを求人したところ、「ゾーイ・ハーパー」という女性が応募してきた、、、

「ゾーイ」は優秀なベビーシッターだったが、夫婦が不在時に家の中を嗅ぎまわっている気配があり、「クローディア」を不安にさせる… その頃、妊婦の殺人事件については、「ロレイン・フィッシャー」「アダム・スコット」の夫婦刑事が捜査にあたっていた。

「ロレイン」「アダム」の浮気に苦しみながらの捜査を進める… そして、別な妊婦が同様な手口で襲われるという事件が発生、、、

妊婦は命を取り留めたものの、胎児は助からなかった… 「ゾーイ」「クローディア」の家族に近付いた目的は? 「ゾーイ」は、猟奇的な殺人事件に関わっているのか? 物語は、「ゾーイ」「クローディア」「ロレイン」の三人の女性の視点を切り替えながら、真相に近付いて行きます。

うーん、終盤のまさかの展開、不可解な「ゾーイ」の行動は、殺人事件とは関係ない詐欺事件に関する潜入捜査だったとは… 「ジェイムズ」と、亡くなった「ジェイムズ」の先妻「エリザベス」の家族が大規模なマネーロンダリングシステムを構築していたとはね、これは読めなかったなぁ、、、

叙述トリックにまんまと騙されました… 「クローディア」の出産への執念、過去の流産・死産した子どもたちの写真等が、事件の動機のヒントになっているのですが、真相には気づけませんでしたね。

そして、他の犯行も示唆する最後の一行にゾクッ としました… 怖いわぁ、、、

子どもが欲しくても授からない、子どもは欲しくないのに妊娠しちゃった、出産しても育てられない(放置、虐待)、そして、育てたのに、子どもが離れていく… 等々、妊娠や出産、子育てに関する、社会での問題がテーマになっていて、親の立場として色々と考えさせられましたね。

でも、意外性があって面白かったです。




以下、主な登場人物です。

「クローディア・モーガン-ブラウン」
 社会福祉事務所のソーシャルワーカー

「ジェイムズ」
 クローディアの夫。軍人

「オスカー」
 ジェイムズの子

「ノア」
 ジェイムズの子

「ゾーイ・ハーパー(ヘザー・ペイジ)」
 ベビーシッター

「ピップ」
 クローディアの友人

「ロレイン・フィッシャー」
 警部補

「アダム・スコット」
 警部補。ロレインの夫

「グレース」
 ロレインとアダムの娘

「ステラ」
 ロレインとアダムの娘



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