長く障害界を牽引してきたオジュウチョウサンが、24日土曜のこのレースを最後にとうとう引退します。2013年秋の東京競馬でデビューし、未勝利のまま翌年から障害に転向、初戦は14番人気14着と、今からは想像できないような「船出」となりましたが、その後3戦で勝ち上がり、オープン入りしてからは勝利を積み重ね、J-GⅠ9勝、年度代表選出4回、2018年には武豊が騎乗して有馬記念にまで出走しました(9着 1着ブラストワンピース)。そんな障害馬がかつていたでしょうか。まさしく障害競争馬界の “宝” と呼んでいい名馬です。
11歳になった今年は、春の中山グランドジャンプを制して健在ぶりを示し、ファンを喜ばせましたが、10月の東京ハイジャンプでは9着と惨敗し、さすがにそろそろ世代交代ではという声が強くなっていました。馬齢の11歳は人間で言えば、50歳代後半から60歳くらいの齢です。いくら管理技術が向上して、人間も馬も「選手寿命」が延びているといっても、そろそろ「退職」させてあげないとかわいそうな気がします。これが最後のレースとなれば、花道を勝利で飾らせたいと願うファンは多いでしょうが、私を含めてレースを見るだけでは収まらない人々にとっては、馬券的な魅力がどうなのかも問題です。
今回ホッコーメヴィウスが出走していれば、オジュウCを負かす有力候補だったでしょうが、オジュウC引退の「ご祝儀」のためか? 今回は出ません(エイシンクリックも来ません)。その代わり、前走の東京ハイジャンプで、このホッコーMに勝ったゼノヴァースが出ます。オジュウCが1番人気でなければ、この馬が当日の1番人気になるかもしれません。しかし、中山の大障害コースは初めてですし、障害転向後間もない時期とはいえ、中山の障害2戦2敗なのが引っかかるところです。
かと言って、他の有力馬といっても、4月の中山GJでオジュウCに敗れたメンバーばかりですから、逆転まではどうかというのが率直な印象です。しいて挙げれば、新潟の平地戦を叩いてこのレースに臨むケンホファヴァルトか、あるいは、前走東京HJ10着のマイネルレオーネでしょうか(でも9歳と10歳だしなあ)。
結論として、勝てるかどうかはわかりませんが、オジュウCが3着以内に来る確率は高いのではと思います。ですから、今からあまり入れこんで予想するより、当日の中山の様子を見ながら、馬券購入を考えるというスタンスがよいと思い直しています。オジュウチョウサンと関係者のみなさん、長いあいだほんとうにお疲れ様でした。
関係ありませんが、昨日12月21日は「競馬の神様」大川慶次郎さんの命日でした。大川さんの障害レースの予想は記憶にありませんが、最後の予想では、亡くなった5日後の1999年12月26日の有馬記念、ハナ差で勝利したグラスワンダーを見事に的中させていました。競馬を「天職」と言った大川さん、倒れてから亡くなるまで意識を取り戻すことはなかったそうですが、競馬中継やGⅠのファンファーレを聞くと脳波が反応していたというエピソードが、私はたまらなく好きです。
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