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緒方洪庵とドラマJIN「仁」

2019年06月13日 | ドラマ仁
ドラマJIN「仁」には前半の重要人物として緒方洪庵が登場します。武田鉄矢さんです。

きちんと見たのは今回が初めてです。

日本史上の巨人でありながら映像化されることは多くはない緒方洪庵ですが、脚本がよくできており、彼の偉大さは十分に伝わってきます。

現代からタイムスリップした外科医である南方仁の正体にうすうす気がついており、彼から学ぶことに対して極めて謙虚な姿勢をとります。

が、ドラマでも史実通り結核で亡くなります。

ドラマではペニシリンの製造が描かれます。江戸期なら結核菌に耐性は少なく、ペニシリンが効く可能性はあったと思いますが、それを使用するシーンはありません。

ペニシリンでは結核は治らないという前提にたって描かれます。

緒方洪庵は彼自身の功績もさることながら(種痘など)多くの門弟を育てます。

その第一が福沢諭吉でしょうが、第二は村田蔵六です。両名とも塾頭になっています。

さてドラマ。

病原細菌との戦いが描かれます。梅毒、コレラ、感染症などです。

パスツールが病原細菌をはっきりと特定したのが、1860年代です。つまり1867年の大政奉還前後になってやっと、病原細菌説が確立していくわけです。

それによって隔離や消毒などの治療は進んでいきますが、抗生物質が発見されるのが1928年。それがつまりペニシリンです。発見者はフレミング。

調べてみると実用化は1942年です。終戦の三年前。海外ですらそれまで抗生物質はなかったわけです。

私があまり「昔は良かった」とか言いたくないのは、こういう事実があるからでもあります。


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