☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『日本の悲劇』(2012)

2013年09月10日 | 邦画(1990年以降)
『日本の悲劇』(2012)

小林政広監督、仲代達矢さん、北村一輝さん出演。

【STORY】
余命3か月の父親とその父の年金を頼りに生活するうつ病の息子の悲劇を描く社会派ドラマ。ガンと診断され封鎖した自室にこもった父の息子への思い、何もできずに過ぎ行く日を暮らす息子の様子をつづる。(Y!映画より)

【感想レビュー】@theater
まるで透明マントに身を包み…、息を潜めて…ある家族の出来事に耳を傾ける時間でした。


何か一つ、歯車が狂い始めれば誰にでも起こりうる現実だと思いました。

精神や身体の不調で仕事が思うようにならなくなったり…。

そして、家庭の中で気持ちが少しずつすれ違っていったり…。



父親が、最後に息子に出来る唯一の事…。

親の視点から描いたという点が、この作品の新しい視点だそうです。

その選択が正しいのか、正しくないのかは重要では無く、閉ざされた空間や関係においては、それが全てになったしまって、逃げ場など何処にも無くなってしまうという事…。

現実に、救いなんて微塵も無い状況に置かれている方が沢山居るわけで、そう思うと、これは映画の中の出来事に収まらない、日本のある側面なのだな…と感じました。


音の入り方は、一箇所に居ながらにして、360度の奥行きを感じさせる素晴らしい物でした!!

仲代達矢さんと北村一輝さんの演技のやり取りや間が、とても素晴らしかったです!!