☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『クロワッサンで朝食を』(2012)

2013年09月25日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『クロワッサンで朝食を』(2012)

イルマル・ラーグ監督、ジャンヌ・モローさん(フリーダ)、ライネ・マギさん(アンヌ)、パトリック・ピノー(ステファン)出演。


【STORY】
エストニアからパリにやってきた家政婦と、高級アパルトマンに住む孤独な老婦人との心の交流を綴るヒューマンドラマ。

出演は「死刑台のエレベーター」「突然炎のごとく」のジャンヌ・モロー、エストニア出身のライネ・マギ、「この胸のときめきを」のパトリック・ピノー。監督は本作が劇場用長編デビューとなるイルマル・ラーグ。

【感想レビュー】@theater
ジャンヌ・モローさんの鷲のような鋭い眼光が凄かった…。

肉体の衰えと対象的な、何か怒りを湛えた瞳。


何も…他者から愛される生き方、愛される人格でなくても、当たり障りのない生き方をそれなりにして来たら、たとえ表面的であったとしても…、たまーに顔を見に来てくれる友人の一人や二人は居そうな気もするけれど。。

(さらにもっと年齢を重ねると、同世代だとお互いに家から出れなくなりそうですが…´д` ;)

人生の黄昏にきて、自由に生きて来た代償と向き合うフリーダ。

一方、家政婦のアンヌは実母との永遠の別れを経験して、新しい風を感じにパリへとやって来ます。

アンヌが、『私も母の死を待っていた…』と言うシーンがありますが、それを聞いて、この映画は、この台詞に全てを凝縮したような気がしました。

泣けてきました。。

母も、同じ事を言っていたのを思い出して…。

経験した人にしか分からない感覚。。

母の介護経験を見聞きしているだけに、看取る難しさを感じます。

アンヌが、この言葉を口にする事が出来たのは、ほんの少し解放されたからであって、渦中にいる時、一番辛い時は口に出来ない想いだったのではないか…と思ったら、もうたまらなくなってしまいました…。

そして、この映画の主人公フリーダは、パリの高級アパルトマンに住むほど、経済的には何の不自由もないわけで、ファッションやアパルトマンの内装がとっても素敵でした!

そこだけは、観ていて救いだったかな…と思います。




『スタンリーのお弁箱』(2011)

2013年09月25日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『スタンリーのお弁箱』(2011)

アモール・グプテ監督、パルソーさん(スタンリー)、ヌマーンさん(アマン・メヘラ)、アビシェークさん(アビシェーク)出演。


【STORY】
家庭の事情で小学校にお弁当を持参できない少年をめぐるハートフル・ドラマ。
本作で監督デビューを飾るアモール・グプテが、週末に子供たちを学校に集めワークショップをする中で撮影された異色作。家庭の事情で学校に弁当を持ってくることができない少年と教師、クラスメートの交流を綴る。主役を演じるパルソーは、監督の実の息子。

【感想レビュー】@theater
エネルギー全開‼…な映画です

切なくて、愛おしくて、ラブリーな映画でした

明るくて賢くて強いスタンリーはクラスの人気者なのです

スタンリー役の子は、監督の実子だそうですが、可愛くて可愛くて

そして監督は悪名高きヴァルマー先生を演じていますが、あの髪型といい、髭といい、身体のシルエット!!

…が、階段から教室からグランドから走り回ってお弁箱にありつこうとする様が…もう…可笑しくて可笑しくて


もう子ども達の逞しい生きる力に泣かされ、そして笑わされ、しんみりして、じわっと来て、でも観てるこちらが励まされる素敵な映画でした




『道』(1954)

2013年09月25日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『道』(1954)

フェデリコ・フェリーニ監督、アンソニー・クインさん(Zampano)、ジュリエッタ・マシーナさん(Gelsomina)、リチャード・ベイスハートさん(Il Matto)出演。



【STORY】
旅芸人のザンパノは芸の手伝いをする女が死んでしまったため、その姉妹のジェルソミーナをタダ同然で買い取った。粗野で暴力を振るう頭が弱いの素直なジェルソミーナは一緒に旅に出る。
【感想レビュー】
これは…

また凄い1本を観てしまいました
DVDの特典で、淀川さんが『男の我儘、女の忠実』と仰っていますが、まさに!!…と思いました。

印象深いシーンは沢山ありますが、特にジェルソミーナが新しい世界に出逢うこのシーンの表情や変化が好きです。

小ちゃいヴァイオリンの音色に誘われていくシーン。

そして、そのヴァイオリンの頭には煙草が挟んであって、燻らしながら弾いているシーン

ちょっと、格好良過ぎます

また、ザンパノの極悪非道ぶり、強烈でした…。
生き様が顔に出ていて…

でもラストはそのザンパノの変化に、グッときました。

また劇中音楽が素敵でした

聴いたことがあったので、あぁ、この映画のだったのだなぁと思いながら、名画に音楽はつくづく付き物だな…と感じました

シンプルで、力強い作品でした


これもまた、大切なDVDをお貸しくださった事にこの場を借りて感謝したいと思います



『傷だらけの男たち』(2006)

2013年09月23日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『傷だらけの男たち』(2006)

アンドリュー・ラウ監督 、 アラン・マック監督、トニー・レオンさん(ラウ・チンヘイ)、金城武さん(ポン)、スー・チーさん(フォン)出演。



【STORY】
大ヒット作『インファナル・アフェア』シリーズを手がけたチームによる、心に深い闇を抱えた男たちの人生を描いたヒューマンドラマ。かつて上司と部下だった二人の刑事の日常が、ある殺人事件をきっかけに交錯していく様を見せる。(Y!映画)

【感想レビュー】
面白かったです

もう沢山の伏線があるので、真犯人も展開も大体は想像がつくのですが、真犯人は誰か?という事ではなく、どうしてそういう事に陥ったのか…、まさに男たちの心の傷に寄り添ったストーリー展開だったので、最後まで楽しめました

トニー・レオンさんも金城武さんも、格好良いです…

トニーさんの軽妙な語り口、心の機微…、覚悟…、多面的な表情が素晴らしかったです


大切なDVDをお貸しくださった事、この場を借りて感謝致します


『首』(1968)

2013年09月22日 | 邦画(クラシック)
『首』(1968)

森谷司郎監督、小林桂樹さん(正木ひろし)、古山桂治さん(吉田弁護士)、鈴木良俊さん(山口助手)出演。

【STORY】
昭和十八年の冬、一人の鉱夫が警察で死んだ。死因に疑いがあるということで、弁護士の正木が遺族から、調査を依頼された。正木は死亡診断書に死因が、脳溢血とあるのを怪しんだが、警察や検事は死体を見せようともしなかった。正木は、そこに拷問死のにおいをかぎ、いかに戦時下とはいえ、官憲の横暴、残虐さに激しい怒りを覚え、この事件を徹底的に調査しようと決心したのである…。

【感想レビュー】@theater
実録!犯罪列島2行ってきました

冒頭の、木枯らしが舞い上がっているシーン!!!
初っ端から心を持ってかれました

そして、小林桂樹さんが凄かったです…。
だんだんに眉間の皺は深くなり…モノクロだから余計に黒々と……の、どアップがスクリーンいっぱいに映されて!!

もう弁護士としてなのか、正木ひろしという人間としてなのか、分からなくなってきますが、執念が形になっていく、その描き方がスピーディだし、素晴らしくて

実際に首を切った、事情を知らない男のひょうひょうとした態度と言動が可笑しくて可笑しくて…。
正木さんの眉間の深い皺と反比例して、面白過ぎました‼

首を切っている時の音と顔のアップは怖かったです…

来て良かった
犯罪列島!