濡れ衣
「なんやてんや。なんやてんや。」と何度も何度も叫んでいる。
真夜中の事である。あまりにひつこいので。
「どうしたんや」というと。
「あんた、人のココ(脚の付け根)を押し付けてなんだかわめいていたやろ。どうしたんや」
「何もしていないよ」「そんなことないやろう。痛かったわ」
「夢を見たのだろう」「夢なら痛くない筈よ。なんかしたんやろ。声を出そうとしたけど出なんだわ」
「夢でも痛いことがあるよ」
NHKの連続テレビ小説(再放送)でほっぺをつねるシーンがあった。
会えると思わなかった自分の家族に会えて。夢を見ているのではと自分の頬をつねって確かめるシーン。
ドラマではよくあるシーンだ。
夜中にトイレに行きたくなってトイレを探し回るが、ここぞと飛び込んだ所が実はトイレで無かった。という夢をよく見る。
その内目が覚めると本当にオシッコがしたかった。ということが良くある。
でも、痛くもないのに痛いという夢も何度か経験している。
夢だって痛いことがあるのだ。
モノクロの夢は普通の夢。ちょっと疲れているとカラーになる。そして最悪になると痛い夢も見るのだ。
一番良い夢は、「何やら一杯夢を見ていたけど、目が覚めたら途端に全部忘れたわ」。という夢である。
家内は信じられない様子で、長い間人をいじっていた。
とんでもない濡れ衣を着せられた。
でも、これが無意識でやっていたらと考えると何だかおそろしくなる。
クワバラクワバラそうならないように気を付けなければ。
この前割安のカメラがカメラ店に有ったので、店員に尋ねた。
「これ、売れ残りですか?」
「そうではないですよ。今人気のカメラですよ」
という訳で買ってきた。
ところが、大変、機能があり過ぎて、何がなんだかさっぱり分からない。それに年を取っている性か、説明書に書いてある意味がよく分からない。とんでもないカメラを買ってしまった。今考えると、店員にもっと詳しく説明を求めるべきだった。大失敗だった。
未だに使い方が分からず、まともな写真は一枚も撮っていない。