元日の能登半島大地震以来謡曲教室の会場は被災者の為に占領されて施設のすべての教室が中止になっていた。
8月中に全ての被災者が出ていったので9月から本来の姿に戻って、謡曲教室も復活した。
そして、昨日、今年初めての謡曲教室に行ってきた。
謡曲教室は若い人がいないため、年輩の受講者の中にはやめていく人も出てきた。
その人の中には90歳という人もいた。
昔なら考えられない年齢だが、そんな年寄りだとは少しも思えない元気な人だった。
先生も84歳だという。お年を聞いて驚いた。見た目ではすごく元気でとてもそんなお年寄りにはみえない。
高齢者時代もここまで来たのかな・・・。
今回は綾鼓という曲だった。
筑前国にある宮殿に庭掃きの老人がたまたま見かけた女御に恋をしてしまった。それを聞き知った女御が老人に意地悪して鼓に皮じゃなく綾の布を貼った鼓を桂木の枝にぶらさげて、これこれを打って見よ、それでその音が御殿まで聞こえたら今一度姿を見せようという。
老人は鳴るはずのない鼓をひたすら打ち続けるという残酷な曲目だ。
随分意地悪な曲目です。
その舞台は筑前国という、そこは何処じゃと、地図を開ければ九州だった。
都から遠く離れたこんなところに御殿があったことがあるのかな。
参加した人はいつもの半分の4人だけ。
抗癌剤の副作用の咳が出ないかと心配していたが、どうやら乗り切ったようだ。
1時間半の謡曲教室もどうやら乗り切った。
体力はまだ残っていた。