≪ビトロス8世の日記16-竜の鎧-≫
「この太刀は太陽系に伝わる業物でな、このままでも
剛剣なんだが、持ち主の力量に共鳴して最も合う
かたちに変化してくれる。まあ、使ってみな。」
巨大竜は、物語で聞くようなゆったりした動きとは異なり、機敏な動きで機雷の間を飛びかった。
王子ははじけるような太刀の一振で機雷をまとめてつぶしていき、私は太刀からはなつ衝撃波で敵船をけん制した。
飛び交う破片と閃光のなか、遠い昔の母星での最終戦争の
情景がふいにフラッシュバックしてきて、そのとき握り
しめていた宝刀の感触を思い出していた。
「そういえばどんな太刀だったかな・・」
地球残存部隊は、地球王子チームの加勢もあり機雷の海を突破するかに見えた。
しかし、その兆しが見えかけた時、当初の倍の機雷が隕石から出てきた。
「一旦退却。このままでは機雷に囲まれる。」
我々は月まで後退した。
「物量で圧倒的し、防衛軍を退ける作戦だな。
順番に片付けている時間はもうない。
よし、ここはアーマー化してシールドを高めてつっきるぞ。」
「王子、アーマー化は久しぶりです。あれ以来。」と風神龍。
「ああ、あれ以来だ。」
(足元の雷神竜が風神龍の言葉に頷いているのが私にもわかった)
「ビトロスよ。こっちにきて並んで立ってくれ。」
そう言われて並んだとたん、一瞬、周りが煙におおわれた。
気がつくと私は宙に浮いていた。もとより宇宙空間にいるので
最初から浮いている。正確にいうと王子に背中合わせでおんぶ
されていた。よく見ると身体はなにかでおおわれていた。
「ビトロスには初めてのことばかりで驚いて当然だな。すまん。
この鎧は風神雷神の変化で、最高のシールドだ。
これで機雷の海を突破する。お前は追ってくる敵を退けてくれ。
ふうっ。それはそうとして、
その前に、こいつにはここででてもらう。途中で起きだす
とやっかいだし、そろそろ働いてくれんとな。そおれっ。」
そのあと見た光景はなんとも異様だった。
(初稿 2007-03-01 21:03:55 )
「この太刀は太陽系に伝わる業物でな、このままでも
剛剣なんだが、持ち主の力量に共鳴して最も合う
かたちに変化してくれる。まあ、使ってみな。」
巨大竜は、物語で聞くようなゆったりした動きとは異なり、機敏な動きで機雷の間を飛びかった。
王子ははじけるような太刀の一振で機雷をまとめてつぶしていき、私は太刀からはなつ衝撃波で敵船をけん制した。
飛び交う破片と閃光のなか、遠い昔の母星での最終戦争の
情景がふいにフラッシュバックしてきて、そのとき握り
しめていた宝刀の感触を思い出していた。
「そういえばどんな太刀だったかな・・」
地球残存部隊は、地球王子チームの加勢もあり機雷の海を突破するかに見えた。
しかし、その兆しが見えかけた時、当初の倍の機雷が隕石から出てきた。
「一旦退却。このままでは機雷に囲まれる。」
我々は月まで後退した。
「物量で圧倒的し、防衛軍を退ける作戦だな。
順番に片付けている時間はもうない。
よし、ここはアーマー化してシールドを高めてつっきるぞ。」
「王子、アーマー化は久しぶりです。あれ以来。」と風神龍。
「ああ、あれ以来だ。」
(足元の雷神竜が風神龍の言葉に頷いているのが私にもわかった)
「ビトロスよ。こっちにきて並んで立ってくれ。」
そう言われて並んだとたん、一瞬、周りが煙におおわれた。
気がつくと私は宙に浮いていた。もとより宇宙空間にいるので
最初から浮いている。正確にいうと王子に背中合わせでおんぶ
されていた。よく見ると身体はなにかでおおわれていた。
「ビトロスには初めてのことばかりで驚いて当然だな。すまん。
この鎧は風神雷神の変化で、最高のシールドだ。
これで機雷の海を突破する。お前は追ってくる敵を退けてくれ。
ふうっ。それはそうとして、
その前に、こいつにはここででてもらう。途中で起きだす
とやっかいだし、そろそろ働いてくれんとな。そおれっ。」
そのあと見た光景はなんとも異様だった。
(初稿 2007-03-01 21:03:55 )