金沢発 あれやこれや

-ヒントをくれる存在に感謝しつつ物語をすすめます-

ビトロス8世の日記19-勇者の帰還-

2021-09-27 23:37:17 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記19-勇者の帰還-≫
「王子、終わったとはどういうことですか。」私は聞いた。
「どういう訳か、俺のレベル4解除が今なされた。この一帯は全て自分の管理下にはいった。
 機雷群をはじめ敵基地の機能は直ちに停止させた。戦闘が終わり危機は去った。」
「任務達成おめでとうございます。」
「ビトロスもご苦労だった。あとの始末は防衛隊がするだろうからひとまず休んでいいぞ。」

私は隕石に降り立った時からほてりを感じていた。
身体を冷まそうとまわりを歩き始めた。
少し歩いたとき、突然誰もいなかったはずの辺りから大きな歓声が聞こえてきた。

「我らの勇者ビトロスが侵略者から星を守ってくれた。ビトロス万歳。」

ぼおっとしてたが、一瞬、我に返って見渡すと何千もの犬族が自分をとりかこんでいた。

「我らの勇者ビトロスがふるさとを敵から守ってくださった。ビトロス万歳。」

そんななかも身体のほてりはおさまらず、逆にエスカレートしていった。
身体がだるくなったのでついには地面に座り込んでしまった。

-懐かしい顔がぽつぽつ見えるが、皆は霊体か。
 なぜここ(隕石)にこれほど大勢の犬族が宿っているのだろう。-

「ううっ」
身体のほてりが更に高まってきていた。しかし、不思議と苦しくなかった。心地よさで満ちていた。
(初稿 2007-03-03 22:21:30)

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