(産経新聞11/16大阪6版より)
〈政府は14日の衆院法務委員会理事懇談会で、外国人労働者の受け入れ拡大に向け在留資格を創設する出入国管理法改正案に関し、制度導入を目指す平成31年度から5年目までの累計で介護業が6万人、外食業が5万3000人、建設業が4万人など14業種で最大34万5150人を受け入れる業種別見込み数を示した。現時点で58万6400人、5年後には145万5000人の人手が不足するとしている〉
*THE SANKEI NEWS:外国人受け入れ、最大34万人 政府、14業種別見込み数提示
→https://www.sankei.com/politics/news/181114/plt1811140010-n1.html
いやはや、もっぱら悪い意味で、なんですが自民党らしいですねえ。国家的理念やら長期的ビジョンやらを抜きに、各種業界団体の要望を少しずつ聞き入れ積み上げたらこうなりました―ということが全力で伝わってきます。
そういう政策決定の在り様が必ずしも悪いことだとは思いませんが、今回の出入国管理法改正案に関しては、う〜ん、そうですねえ、ワタクシもどちらかと言えば反対です。
議論の出発点として「労働力不足」があるわけですが、いやいやそれは、今国内に「1日8時間・週5日」、大抵のことを「そこそこ卒なく」こなせる、すなわち「働かせる側」にとって都合の良いヒトが少ないというだけの話で。例えばこれが「1日4時間なら」あるいは「月水金だけで」といった「働く側の都合」を聞いてもらえるならば、十分に意欲も能力もありますよという人間はいくらでもいるでしょう。
そういう、国内において活かされていない人に働く機会を与えるような政策が優先されるべきで、外国人労働者を入れるのは次の次の次くらいで良いと思います。まずは、いわゆる正社員とパート・アルバイトとの間にある給料・待遇面での断絶を埋めていくことから始めてくださいな、です。「非正規雇用」だからといって「正規雇用」並に働いても生活が成り立たないような給料じゃ、そりゃ働く気になれませんよ。例えば、仮に1日8時間週5日年間50週働いたとして年収300万円になる―時給1500円を最低賃金にしたって罰は当たらないでしょう。日本人であれば皆義務教育を受け、ほとんどは高校も卒業しているわけですから。
と、まあ、ここまでは、既にいろんな人が言っています。
問題は、そうやって日本人を使えば、当然モノもサービスも「お値段そのまま」というわけにはいかないということですね。というか「お値段そのまま」を優先するから「特定技能」とか「熟練技能」とか色々もっともらしいことを言いつつ、要は「単純労働者」を安く使いたいという話になっているわけで。
つまりワタクシが言いたいのはですね、外国人労働者受け入れに反対するなら、モノやサービスがある程度「お値段高め」になって行くのは仕方がないことだよね、ということも合わせて言わなきゃダメでしょ、ってことです。医療・福祉・教育等、お値段高めにするわけにいかないモノに関しては補助金を入れていくしかないし、そのためには税金を多く納めなきゃいけないし。
そこら辺について何も言わずに、もっぱら「民族主義的」観点から反対する方々や、単に「政府案だから何でも反対する」という野党政治家の面々には同意しかねます。
実のところ、ワタクシ自身「外国人受け入れ」それ自体には「絶対反対」というわけではないんです。最低限の日本語(小学校4年くらい?)さえ話してくれれば、日本で働いてくださって結構、ご自分はともかく、子供が生まれた場合〇〇系日本人として育ててくださるのなら永住も歓迎しちゃいます。何なら帰化するのも良いでしょう。その点において、凄いスポーツ選手や素晴らしい研究者と単純労働者とを区別はしないし、したくありません。
実際、日本は「和の国」として古より多くの渡来人を受け入れ、いつの間にやら同化してきた歴史があるわけで、その包容力には自信を持って良いんです。むしろ何世代にもわたって在日〇〇人であることを認めてしまっている現状が、不必要な(!)感情を刺激して、「外国人」を十把一絡げに拒絶する気分を醸成してしまっているわけで。
おっとっと、つい話がズレてしまいましたが、
ともあれ、目下議論されている出入国管理法改正案については、一応反対ってことでお願いします。
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