角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

PROM.46 天皇「生前退位」→譲位に関する基礎知識-3

2016-10-26 06:30:54 | 「国」を想う
皇后陛下(宮内庁ホームページより)



〈8月に陛下の御放送があり,現在のお気持ちのにじむ内容のお話が伝えられました。私は以前より,皇室の重大な決断が行われる場合,これに関わられるのは皇位の継承に連なる方々であり,その配偶者や親族であってはならないとの思いをずっと持ち続けておりましたので,皇太子や秋篠宮ともよく御相談の上でなされたこの度の陛下の御表明も,謹んでこれを承りました。ただ,新聞の一面に「生前退位」という大きな活字を見た時の衝撃は大きなものでした。それまで私は,歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので,一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません。私の感じ過ぎであったかもしれません〉

(宮内庁:皇后陛下お誕生日に際し(平成28年)
 →http://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/3


ひとまず、お言葉の通りだと思います。

思うんですが、

「皇室の重大な決断が行われる場合,これに関わられるのは皇位の継承に連なる方々であり,その配偶者や親族であってはならない」

という部分について言えば、
皇位の継承=皇室の重大な決断
という意味ではないと思います。

それはまさに「国」の問題ですから。


残念なことに(私はそう思っています)、
今上陛下がお持ちだとされる「譲位のご意向」は、

結果として陛下御自ら、
その実現のため世論に訴えられたというカタチとなってしまいました。

そうである以上、
世論の方で(例えば摂政を置けば良いのではないかなど)反対するなら、
そのご意向に背かざるを得なくなりました。

困ったもんだと思います。



さて、そんなわけで天皇の「生前退位」について、
(この言葉もたいがい使うのやめたらイイのにと思います)
産経新聞(10/12大阪6版)の特集ですが、左の方、

GHQも退位認めず「野心的な天皇が出ては困る」
政府「天皇に私なし、すべてが公事」


という見出しがあります。




GHQ絡みのことは、ま、この際イイんで、
大切なのは、当時の国務相による以下の発言です。

「天皇お一人のお考えによって、その御位をお動きになるということは恐らくはこの国民の信念と結びつけまして調和せざる点があるのではないか」

「天皇に私(わたくし)なし、すべてが公事であるという所に重点をおき、ご退位の規定は今般の典範においてこれを予期しなかった」

(Web産経ニュース:GHQも退位を認めなかった… 「野心的な天皇が退位して首相になっては困る」 政府「天皇に私なし。すべては公事」
 →http://www.sankei.com/premium/news/161010/prm1610100024-n1.html

と、ありますね。


そうです。

明治以降、法治国家としての日本においては、
天皇ご自身を含め(!)、
何者かの意思によって天皇の退位が取り沙汰されることがあってはならないのです。

お務め云々は、二の次で構いません。
というか、何を置いても天皇の地位に在る、ということが、
第一のお務めなんです。


と、現時点での私は考えております。

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」
第一回の議事録(概要)が公開された、とのことです。

何にしても、国民大多数にとって、
納得のいく「言葉」にしてもらいたいものです。

TBS-NEWSi:「生前退位」有識者会議の議事録公開、自由討議の内容など掲載
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2899215.html


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