角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#271 お役所がまた要らん仕事を、と思わないでもないんですが・・・「プラスチックスマート」

2018-10-21 06:13:37 | 環境、保護?
「プラスチックスマート」キャンペーン(環境省)のロゴ

〈このロゴマークは、キャンペーンにご賛同頂ける全ての個人・自治体・企業・団体の方が、海洋プラスチック問題の解決に貢献する取組を実施していることをPRするために作られるポスター、チラシ、パンフレット、ポップ広告等の資材や名刺、HPなどに、無償で使用することができます〉

*環境省:「プラスチックスマート」キャンペーンの立ち上げについて
https://www.env.go.jp/press/106073.html



ということで、まずはこちらの記事を。


(産経新聞10/20大阪6版より)

正直なところ「お役所がまた要らんことを」と思ったわけですが、「登録」を求めているだけで、特に審査やら認可やらという手続きは無いようなので「まあ、どうしてもやりたいって言うなら止めはしないけどさ」くらいに評価しておきましょうか。


環境省が言うには、

〈世界的な海洋プラスチック問題の解決に向けて、個人・自治体・NGO・企業・研究機関等の幅広い主体が連携協働して取組を進めていくことが必要です。

 そこで、本キャンペーンでは、一つの旗印の下に幅広い主体の取組を募集・集約し、ポイ捨て撲滅を徹底した上で、不必要なワンウェイのプラスチックの排出抑制や分別回収の徹底などの"プラスチックとの賢い付き合い方"を全国的に推進し、我が国の取組を国内外に発信していきます〉
(「プラスチックスマート」キャンペーンの立ち上げについて)


という趣旨、というか狙いらしいんですが、プラスチックスマート公式サイトの方には・・・


ポイ捨てなどにより、回収されずに河川などを通じて海に流れ込む「海洋プラスチックごみ」が日々発生しています。世界全体で日々大量に発生する「海洋プラスチックごみ」は長期にわたり海に残存し、このままでは2050年までに魚の重量を上回ることが予測されるなど、地球規模での環境汚染が懸念されています。

こうした問題の解決に向けては、個人・企業・団体・行政などのあらゆる主体が、それぞれの立場でできる取組を行い、プラスチックと賢く付き合っていくことが重要です。

環境省では、そうした取組を応援し、さらに広げていくため「プラスチックスマート」キャンペーンを実施しています。



とも謳ってまして、こんな画像も掲げてあります。



*環境省:プラスチックスマート公式サイト
http://plastics-smart.env.go.jp/


単純に「減らせ」とか「無くせ」とか言うのではなしに「プラスチックと賢く付き合っていく」としている辺りは、まあ、一応共感もしちゃったりです。

で、実際何をすりゃ良いのって話なんですが、こんな説明をしてます。





*プラスチックスマート:“プラスチックとの賢い付き合い方”を進め、広める
http://plastics-smart.env.go.jp/files/details.pdf


まあその、簡単なことだというか、当たり前のことだというか、だからこそ難しいことなんだよというか・・・


そうそう、ロゴマーク使用にあたって審査や認可はしないみたいですが、一応「注意」事項は掲げてありまして、



*プラスチックスマート:ロゴ利用規約
http://plastics-smart.env.go.jp/terms.html


良く言えば性善説、悪く言えば自由放任?

もっとも、ワタクシ的にはそれで構いませんけどね。個人にしろ企業にしろ、地球やら環境やらに優しいかどうかは、ロゴマークの有無に関わらず、実際にやっていることで判断しますんで。

むしろ、このキャンペーンが元で「あの会社、ロゴを使ってるのにちっとも優しくない」みたいな批判が出たりして、それに対して環境省が「じゃ、審査を厳しくして認可制にしましょう」なんて言い出すんじゃないかと、そっちの方が心配ですわ。何しろお役所ってのは仕事増やす(税金を使う)プロですからね。

ロゴ自体の出来は「まあまあ」な感じだし、それを役所の方が悪用して要らん仕事を増やしたりしない限りにおいて「上手く使ってちょうだい」といったところです。

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

このキャンペーンは「ストローだけを取り上げているわけではない」というその点で、まあ好感を持てます。個人的に。ちょっと前に書いたモノですが、お時間あれば。

〈ストローだけ(!)がやり玉に上がってる現状のほうがオカシイんで。悪いのはストローだけ(!)じゃなくて、全てのプラスチックについて、焼却にしろ、リサイクルにしろ、きちんと管理・処理されてないこと、そのまま海に流れ出ていることが問題なわけですから〉

#262 「すかいらーくよ、お前もか」・・・ストローだけなんてヒドイわ。
https://blog.goo.ne.jp/kawai_yoshinori/e/d5fb3c116e1f435dccebec9bc5d77f96


関連して「当事者」(ストロー製造会社の社長)の言い分が読める素敵記事。さらにお時間あれば。

〈「一時のブームだろう。使い捨てプラスチック製品のごく一部にすぎないストローを、なぜなくそうとしているか。やめた時の影響が少なく、手を付けやすいからだ。廃止運動は外資系企業が中心となっている。欧米では環境団体の圧力が強く、その評価が企業の株価に響くため何らかの姿勢を示したいのだろう。だが、本気でプラスチックを減らしたいなら、重量の重いカップやスプーンなど、ストローより削るものがあるはずだ」

 「ストローは飲み物をかき混ぜるマドラーの機能もあり、幼い子供や手の不自由な障害者でも安心して飲める道具でもある。医療用などさまざまな用途にも広がっている。衛生・環境面を踏まえてもプラ製ストローは現代社会になくてはならないもの。使うことを前提に、使った後にどうするかを考えるべきだ」〉


*Web産経ニュース:【ニッポンの議論】プラスチック製ストロー廃止 社会全体で考える契機に 問題なのは使用後の処理
https://www.sankei.com/economy/news/180923/ecn1809230002-n1.html


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