角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#055 Alliance of hope ~希望の同盟~

2015-05-01 17:11:34 | 来し方、行く末
安倍さんが、米国で演説しました。
連邦議会上下両院合同会議という場においては、
我が国の首相として初めてのことだそうです。

それだけでも、日本国民として素直に喜べば良いのに、
我が国には、実にヒネクレモノが多くて困ります。

たとえ自公政権に反対でも、安倍さん個人が嫌いでも、

議会制民主主義の手続きに従って正当に選ばれた、
我が国の首相、私達の代表ですよ。

その、日本国内閣総理大臣による大舞台での演説を、
何でもっとフツーに聞けないのかなあ。

中国・韓国の反応なんて関係ないし、
村山談話と細々比較することにも意味はないでしょう。

英語が下手だとか、
カンペ見てたとか、
いやもう、ホントどうでもいいことばっか。

議場に居合わせた人々の、
十数回におよんだスタンディングオベーション、
その全て外交辞令だとでも?

明らかに少数派だろうと解る人物の意見でもって、
意図的に扱き下ろそうという毎度のやり口も、
イイカゲン飽き飽きだし。

嫉妬もたいがいにせんと、見苦しいですわ。

・・・ ・・・ ・・・

おっと、イカン、イカン。

ああ、良かったなあ、と感慨にふけっていたところを、
くだらん二次情報に心乱されてしまって、つい・・・

ともかく、
50分弱、時間がある時でいいんで、
演説の動画(内閣広報室)全編観て、自分で感じましょう。

そうもいかない、という方も、
下記の3箇所だけは、是非。

(以下、英語原文、和訳はともに首相官邸ホームページより
 英語全文はこちら、和訳全文はこちらです)

まずは、過去の歴史に対する「deep repentance(深い悔悟)」を表明するところです。

“Before coming over here, I was at the World War II Memorial. It was a place of peace and calm that struck me as a sanctuary. The air was filled with the sound of water breaking in the fountains.”
(先刻私は、第二次大戦メモリアルを訪れました。神殿を思わせる、静謐な場所でした。耳朶を打つのは、噴水の、水の砕ける音ばかり)

ホントに水の音だけなんです。それと鎮魂のラッパ。
「謝罪」とか「おわび」とか、言葉じゃない、って思います。

(動画はこちら

次に、現在につながる「和解」です。

先の戦争で激戦地となり、双方多大な犠牲者を出した硫黄島。
そこで大尉として上陸作戦に加わっていたローレンス・スノーデン中将と、
守備隊司令官だった栗林忠道大将の孫である新藤義孝議員。
その二人が握手する場面です。

“Enemies that had fought each other so fiercely have become friends bonded in spirit.
To General Snowden, I say that I pay tribute to your efforts for reconciliation. Thank you so very much.”

(熾烈に戦い合った敵は、心の紐帯が結ぶ友になりました。スノーデン中将、和解の努力を尊く思います。ほんとうに、ありがとうございました)


この後しばらくはTPPや安全保障など、
それなりにムズカシイ話がありまして、
(この辺は、確かに安倍さんの英語も辛そうだった)

そして結びに、未来へと続く「希望」を持ってきました。

安倍さんは、自身、高校生だった時の思い出の曲を紹介しています。
Carole king / You've Got A Friend です。

以下、曲を聞きながら噛み締めてみてください。

“And that day, March 11, 2011, a big quake, a tsunami, and a nuclear accident hit the northeastern part of Japan.
The darkest night fell upon Japan.
But it was then we saw the U.S. armed forces rushing to Japan to the rescue at a scale never seen or heard before.
Lots and lots of people from all corners of the U.S. extended the hand of assistance to the children in the disaster areas.
Yes, we've got a friend in you.
Together with the victims you shed tears. You gave us something, something very, very precious.”

(2011年3月11日、日本に、いちばん暗い夜がきました。日本の東北地方を、地震と津波、原発の事故が襲ったのです。
 そして、そのときでした。米軍は、未曾有の規模で救難作戦を展開してくれました。
 本当にたくさんの米国人の皆さんが、東北の子供たちに、支援の手を差し伸べてくれました。
 私たちには、トモダチがいました。
 被災した人々と、一緒に涙を流してくれた。そしてなにものにもかえられない、大切なものを与えてくれた)



で、

“That was hope, hope for the future.”
(希望、です)

と、答えを簡単に言ってしまうのは、正直、
日本人として、いささか興ざめなんですけど、

まあ相手は米国人なんで、それも良しとしましょう。

念押ししておきますが、
この演説は、
我が国の首相が私達を代表して、米国議員とアメリカ国民に向けて語ったものです。

そこをハズした二次情報や報道なんぞ、ケッ、です。
(あ、スミマセン。映画とか見終わって余韻に浸っているところへ、
 脇から心ないツッコミで水差された時のように、マジ不愉快だったんで)

ということで、
締めにも、演説の言葉を借りましょう。

“Alliance of hope.... Together, we can make a difference.
Thank you so much.”

(希望の同盟。一緒でなら、きっとできます。
 ありがとうございました)


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