角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#017 「秋入学」はどうなった?

2015-01-17 21:56:39 | 三年一昔
平成24年の1月頃、
東京大学が秋入学への全面移行を検討するという話がありました。
一時は、他の大学、企業も巻き込んで、
「日本の大学も、ついに変わるか」という空気があったんですが・・・

3年経った今日、
結局、当初から懸念されていたように、
企業の採用、各種の国家試験など、
変えなければならないことが多すぎて、一部導入に留まった、という状況です。

そこで私、思うのですが、

日本における「岩盤規制」の最たるものは、
入学、卒業、就職、資格取得、等など、
ほとんどの事柄について回る「年齢絶対主義」なんじゃないでしょうか。
あるいは「同年齢一括主義」と言いましょうか。

同じ年齢の集団を同一視して一律に扱う。
それは確かに効率が良いことではありますが、
その分、異能の人には応えられず、状況の変化にも応じられません。

年齢の呪縛から解き放たれたら、どれだけの人が幸せになれるだろうかと想像します。

就学や進級年齢に融通が効くなら、
Slowlearner(簡単に言えば大器晩成の人)にとっては救いであり、
Gifted(ものすごく簡単に言えば天才)にとっては福音となります。
高校生や大学生の就職活動圧力もかなり減るはずです。

一旦社会へ出て、そこで自分の不足を知って大学で勉強する。
休学して世界を見、また復学し学問に励み、それを社会で活かす。
そういう本来の、そして当たり前の姿に近づけます。

資格取得の年齢制限がなくなれば、
まだまだやれる、もっと頑張れる、という人もたくさんいるでしょう。

何より、
結婚前にある程度地歩を築いておかないと、と考えて無理をしてしまう女性が、
むしろ、若く体力のあるうちに結婚、出産し、
子供から手が離れるにつれて徐々に社会進出する、
という選択が可能になります。
高齢出産のリスクが減るし、多産への余裕も生まれます。

誰しも、自分が関わる何かを変えるのは面倒です。
総論賛成各論反対というヤツです。

けれど、
変えなければならないことが多すぎる、だから変えられないと言っていたら、
変わることなんて出来ないし、問題が解決することもありません。

ここら辺り、人の意識ですから簡単なことで、そして難しいんですよね。
ああ、この結論も「昔」と変わってないや。


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