(産経新聞6/26大阪6版より)
Web産経ニュース:着床前の受精卵検査で資格停止処分 神戸の院長また 日本産科婦人科学会
→http://www.sankei.com/west/news/170624/wst1706240061-n1.html
Web産経ニュース:着床前の受精卵検査で資格停止処分 神戸の院長また 日本産科婦人科学会
→http://www.sankei.com/west/news/170624/wst1706240061-n1.html
俗に(高尚に)言うところの、
「技術に倫理が追いつかない」
というヤツでしょうか?
いや、むしろ確信犯なのかな?
体外受精に際して受精卵の染色体全部の数を調べて、着床しない、あるいは流産しやすい事が明らかな受精卵を避けて、着床しやすくて流産しにくい受精卵を子宮に戻す事は、世界的に実施されており、その有効性は多数の権威ある論文で証明されています。妊娠しやすくて流産しにくい治療を受けることは患者様の基本的人権です。
患者様の基本的人権を尊重して、医学的に正しい治療を実施した事を理由に処分をするなどと言うことは常識的にはおよそ考えられない事態で、日本産婦人科学会が世界の医療から孤立して、閉鎖的体質に陥っていることを自ら公表したようなものです。 私は患者様の人権を守るため、日本産婦人科学会の処分とは関係なく、最新のNGS法による流産しにくくて着床しやすい受精卵を子宮に戻す治療を続ける所存です。
*大谷レディースクリニック:日本産婦人科学会の不適切な「処分」について
→http://www.ivf.co.jp/?p=4589
これだけ読むと、
「そうなのかあ〜」
と納得してしまいそうなところが恐いです。
着床前診断は受精卵が子宮に着床して妊娠が成立する前に、受精卵の染色体や遺伝子に異常がないかどうかを調べる医療技術です。
妊娠が成立する前に受精卵の段階で異常の有無を調べるのですから、出生前診断のように産むべきか、それとも中絶するべきかと、夫婦が苦渋の選択を迫られることはありません。
羊水検査のように検査をすることによって発生する恐れのある流産の危険ももちろんないのです。
*着床前診断ネットワーク:着床前スクリーニングとは/出生前診断との違い
→http://pgd.ne.jp/screening/difference/
確かに、
着床前スクリーニング(受精卵検査)は、
何か不都合があった時の精神的苦悩・苦痛も、
出生前診断と比較すれば、はるかに軽いものではあるのでしょう。
それでも、
じゃ「受精卵」って、
単なる「モノ」ですか?
色々と有名な(!)大谷レディースクリニックですから、
「会員資格停止」なんて痛くも痒くもないのでしょう。
なお、今回の「処分」は不妊治療、体外受精、着床前診断、特定不妊治療費助成金などには全く影響はありません。
(日本産婦人科学会の不適切な「処分」について)
なんて仰ってますし、
実のところ、
大谷院長は2004年にも学会指針に違反して受精卵検査を実施したとして、学会から除名処分を受けた。その後「学会の指針を順守する」との誓約書を提出して再入会していた。
(着床前の受精卵検査で資格停止処分 神戸の院長また 日本産科婦人科学会)
という、ことの成り行きでもあるわけで。
「需要」のあるところ「供給」に、これ努めまする、
くらいなものなのでしょう。
まあ、その、
何としてでも、血(遺伝子)を分けた(正常な!)我が子を、
という望み自体は、解らないでもないんですが、
出生後なら殺人で、
出生前なら堕胎(中絶)で、
着床前なら処分で、
そんな風に割り切ることは、
ワタクシ的には、やっぱり難しい。
というか、冷静に考えてみると、
そもそも体外受精って、不妊「治療」になってないんじゃないの?
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