川口市農務課、川口市農業委員会主催の表題の意見交換会を傍聴してきました。
研修のテーマは「農地を担い手を守り活かすために」というタイトルで、昨年12月15日に改正されたばかりの農地法・農業経営基盤強化促進法・農業振興地域整備に関する法律・農業組合法などの解説が埼玉県農業会議主任の小嶋俊洋氏により解説されました。
その後、農業委員、認定農業者、川口市農務課職員との意見交換会が行われました。
この意見交換会は始めて行われるとのことで、川口市の神根地区の議員として、ぜひとも皆さんのご意見を拝受したいという気持ちで出席しました。
常日頃、地域の農業を営む方からは、川口という都市化された地域で農業をやっていくことの困難さについてたびたび伺っているところであります。
中でも、今回の法改正では東北や北海道などの大規模農家には適しているかもしれませんが川口市の農家にはそぐわず、特に農地の相続税納税猶予制度に関する改正では、農地を守ることを目的としたため、肝心な農業経営者の生活を守るものとはなっておらず、たとえば、これまで市街化調整区域においては20年自作すれば納税免除だったのに対し、終身継続が用件とされました。農業経営基盤強化促進法による貸付が可能となったものの、川口のような大規模農家が少なく、現状隣地に民家が迫ったような地域においては借り手もなく、80歳、90歳になって、いよいよ農業ができなくなったときでさえも、後継者が家族にいなければ、納税猶予を打ち切るというもので、実質2.2%の利子税が発生します。
また、身体障害者など将来にわたって営農が困難となった場合に旧法ではそういった場合においても猶予打ち切りとされたのに対し、貸し付けても猶予の対象とされましたが、実際には精神で1級、身体で1級~2級、要介護度で5ということ条件であり、ほとんど重症な場合に限ってみとめられるという内容です。
川口市の実情とはかけ離れた法改正であると感じました。
緑を残したいのか、農地を残したいのか、農家を残したいのか、という質問がでました。
今回の法改正においては、食料自給率を上げるため、環境保護のため、今まで従来から農業を営んできたものにしか認められなかった農業を広く企業にまで参入できるように緩めたものではあるかもしれませんが、大規模化による弊害たとえば、いわゆる中小企業化した農家の経営がますます経営悪化されることが懸念されますし、農地法改正の内容が、農業家同士の問題にとどまっていて、むしろ川口のような都市部で農業をする場合には、農業家とその周りを取り巻いている住民との共存が難しいことにも由来すると思います。
都市部の農地は、市街化地域に囲まれ、農薬を使うことはもちろん、堆肥などの臭いや火もしなど従来行ってきた行為も周囲の環境からやりにくいようになってきています。
また、農地は住宅や道路などアスファルトやコンクリートに囲まれ、雨水の逃げ場がなくなって、大雨が降れば、生産物も大打撃を受けます。
そこで農業をやってほしい、緑を守ってほしいというのであれば、彼らの農地に恩恵をこうむっている一般住民も何らかの農地保護に参加すべきではないかと思っています。
大雨のときなどは、ある種農地が犠牲になってい部分もあるのですから。
JAなどの団体が、加工までの商品化をイニシアチブをとってすすめることも必要かと思います。地産地消に向けて、生協なみの宅配システム等も検討できるのではないでしょうか。
地域に大切なものは、国の法律では限界があるので、この地域にあったものを作り上げていく必要があるように感じます。