高2の時、同級生がロックバンドを作った。リードギターの家を訪ねると、アニマルズの「朝日のあたる家」を大音量で練習していた。ハレの舞台は野外コンサートで、クリームの「ホワイトルーム」、グランドファンクレイルロードの「ハートブレイカー」「孤独の叫び」など旬の曲だったが、観客はまばらだった。後日ラジオでクリームのライブを聞いた。「クロスロード」「スプーンフル」「サンシャインオブユアラブ」に衝撃を受けた。
高1の秋にバイクの免許をとった。父の会社にあるCB350に乗るのが、毎日の楽しみで、学校の帰りに、バイクに直行した。外観はメッキタンクに黒塗装と地味だったが、空冷4サイクル2気筒のエンジンは軽くレッドゾーンまで回転して、ホンダサウンズとともに、私を別世界へ誘ってくれた。高3の秋に、普通車の免許をとると、会社のトラックやクラウンに乗るほうが多くなった。その頃、中学のときの同期生だった建材店のS君が、発売されたばかりのCB500FOURに乗り始めた。人気の確立したCB750ではなく、なぜCB500を選んだのか気になったが、ナナハンよりもコンパクトな造りで、小柄な彼には乗り易すかったのだろう。ツートンカラーのタンクが渋く、大人の雰囲気のある良いバイクで、一度だけでも乗ってみたいと思った。色々なバイクに思いを寄せながら私のバイク好きは今に続いている。
高校入学と同時に、芸術の志望別にクラス編成が成された。美術を第一志望にしたのに、学校の都合で、書道のクラスになっていた。不本意ながら1年間書道をすることになった。墨で好きな絵を描いて、モノトーンの面白さを知ったが、字はひどいままだった。