唯物論者

唯物論の再構築

e=mc^

2011-03-20 18:15:47 | 相対性理論

4元座標での静止物体のエネルギー式 e=mc 導出要領を以下に示す。
導出にあたり使用する表記記号は、以下である。

  m  : 質量
  c  : 光速
  u : 4元速度の時間成分
  p : 4元運動量
  p : 4元運動量の時間成分
  p : 4元運動量の空間成分、ニュートン力学での運動量
  e : 4元エネルギー
  e : 4元エネルギーの時間成分、いわゆる静止物体のもつエネルギー
  e : ニュートン力学での運動エネルギー

最初に、次の式を前提する。

  e=pc                 ・・・前提式1:エネルギー=運動量 × 光速

上記式は、量子仮説(e=hν)と光子運動量(p=hν/c)の二つの式から導出されたものである。
したがって前出の表記記号のうちエネルギーを表すものは、それぞれ以下のような運動量と光速からの算出値に置き換え可能である。

  e=p
  e=pc                ・・・式a
  e=p

二番目に、次の代置を前提する。

  u=c                 ・・・前提式2

上記の代置は、いかなる速度で移動する慣性系であっても、時間速度は光速に等しいことを示す。
それは、例えある慣性系の時間速度が、他の慣性系にすると遅延または急進する時間速度であっても、慣性系自身にすると時間速度は常に同一だと言うことである。したがって運動量の式p=mvに従うなら、前出の4元運動量の時間成分を表す表記記号p は、以下のような質量と光速からの算出値に置き換え可能である。

  p=mc

当然ながら前出の4元エネルギーの時間成分の式aも、以下のような質量と光速からの算出値に置き換え可能である。

  e=mc                 ・・・式b

この段階ですでに、e=mcの導出は完了する。

ただしこの式は、エネルギーの時間成分だけを表す。さらに空間成分を含めたエネルギー式を導出する場合、次の式を前提する。

  p=p+p    ・・・前提式3:4元運動量=運動量時間成分+運動量空間成分

上記式を以下要領で変形すると、e=mcの一般式が得られる。

  p=p+p       ・・・両辺に定数Cをかける
  (pc)=(mc)+p     ・・・pをmcに代置
    e=m+p       ・・・pcをeに代置

上記の最終式が、e=mcの一般式 e=m+p である。
慣性系の移動速度がゼロなら、右辺第二項の4元運動量の空間成分の部分、つまりpもゼロになり、以下の式に落ち着く。

  e=m 
   e=mc                ・・・式c

いわゆるe=mcは上記の式cである。しかし実際には前出の式bで示した4元エネルギーの時間成分の時点で、その導出は終わっている。

この値は静止物体のもつエネルギーを表すとみなされている。しかし4元座標では、静止物体といえども時間方向に移動する。そして式の成り立ちを見てもわかるように、mcは4元エネルギーの時間成分にすぎない。つまりmcとは、静止物体の時間方向移動における運動エネルギーにすぎない。

当然、前出の一般式e=m+p も次のように表せる。

    e=(mc)+e        ・・・pcをeに代置
    e=e+e          ・・・mc をe に代置

上記の最終式は、4元エネルギーとその時間成分と空間成分の関係式である。もともと前提式1は、運動量に光速をかければエネルギーになるのを示している。したがって前提式3、つまり4元運動量とその時間成分と空間成分の関係式の両辺に光速をかければ、その式がエネルギーの関係式になるのは当然である。

(2011/03/20)


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