やっぱり、権力は腐敗する。
公明党が自民との連立政権を誕生させたのが1999年だった。それから途中で下野するも19年間も政権を担っている。
クリーンと平和、そして福祉の党というのが私のイメージだ。だが、そのクリーンに暗雲が垂れこんでいる。
公明党の衆院議員二人にかかわる貸金業法違反の捜査のニュースに驚いたのはこの夏のこと。19年も権力の座にいると口利きなどの威力は大きい。「公明党もか・・・」相次ぐ自民党の逮捕劇の挙句の不祥事。裏切れた感が国民に走った。
「クリーン」のイメージが強かっただけに逆効果は激しい。
河井元法相の巨額買収事件に揺れた広島。その注目選挙区は、自民候補を取り下げて公明の斉藤国交大臣が候補者となった。自民が全面的に応援。岸田総理も地元広島とあって応援に熱を入れるシーンがニュースで流れる。
結果は野党候補を抑えて、公明の斉藤国交大臣の勝利となった。
だが、選挙後に支援した業界団体が、選挙期間中に個人演説を聴きに行かせ、現金を渡していたことが発覚した。現金を渡したのは広島県トラック協会の関連団体だ。
トラック協会は、もろ国交省の許認可との利権関係にある業界団体。疑惑の衝撃は大きい。しかも、巨額買収事件で揺れに揺れた広島3区での疑惑発覚だけに有権者のショックも大きい。
この疑惑に公明党や斉藤大臣から納得いく説明はなされていない。ザル法の公選法の隙間をくりぬけるような言い訳に終始した公明党だった。自民党が言うのなら「またか」だろうが、公明党がそれを言うのなら、「クリーン」の看板を下ろせ。公明らしさが消え失せていることに恥ずかしくないのだろうか。
私事だが、友人から頼まれ、「クリーンの公明党」に期待して応援した立場からすれば、裏切られた感はずっと続いている。だから余計に悔しいのだ。
「公明党よお前もか!」そんなマチの声が上がる。
「政治とカネ」の闇は、思った以上に自公政権に蔓延しているようだ。
10万円給付のクーポンを巡る公明党の強圧ぶりといい、「権力は必ず腐敗する」が生々しい。
この国の、政治とカネで腐りきった権力の根っこを大手術しない限り、腐敗は止まらない。