「広島の良心をしめさにゃ恥ずかしい・・・」
サービス業で長期出張の友人。明日、休みをとって帰ってくる。
参議院再選挙の期日前投票に行くためだ。
広島では、河井夫妻の買収事件のせいで再選挙が25日に投開票される。
2900万円を超えるカネを河井夫妻がばらまいた。カネをもらって首長や県会議員らが河井杏里の選挙応援をしていた。そんな恥ずかしすぎる事件で揺れに揺れた広島だ。
友人が言うように「怒りを通りすぎて、恥ずかしくて情けない」というのが県民の思いだ。
だが、そんな県民の心情とはかけ離れて、事件を引き起こした自民党は、「他山の石」だとした二階幹事長のように、他人事だとごまかしながら、反省も説明もないまま候補者を立てている。”寄らば大樹の陰””長い物には巻かれろ”の根性が国民に沁みついているから、選挙になれば「それでも自民党」だと、票は取れると高を括っているからだ。
安倍と菅が、強引に河井案里を立候補させ、1億5000万円もの選挙資金を河井夫妻に渡していたというのに、反省のかけらもない。
河井夫妻買収事件だけではない。政治とカネの闇は深く、数々の疑惑で逮捕者を出している自民党だが、”蛙の面に水”状態だ。これがもしどこかの野党の引き起こした事件だったら、とっくに党は解散の破目になっている。
こんな緊張感の無い日本政治になったのはなぜか。居直る政治家と政党の責任は当然だが、賢く投票行動しない有権者にも大きな責任がある。
民主主義は一人ひとりの国民が「個」として主権を自覚しないと成り立たない。「私がこの国の主人公だ」とする知性と自立が確立されないと民主主義は本当の機能を果たさないからだ。
選挙でカネをばら撒いたりしたら、一瞬にして候補者も政党も吹っ飛んでしまうような、有権者が賢い国であれば、「カネをやれば応援してくれる」と考えるような愚かな法務大臣夫妻など誕生するはずもなかった。
広島の再選挙にかかる費用は13億円。バカバカしくて腹が立つ。
この選挙は、どの政党が良いとか悪いとか、与党と野党どっちがましかとかを選択する選挙なんかじゃない。カネで議席を買った政治に「NO」を突きつける選挙だ。
それが、民主主義を機能させる賢い投票行動となる。
過ちては改むるに憚ることなかれ、巨悪や不正を改めないことこそ本当の過ちだ。