木彫り倶楽部 more

本来は、木彫り教室のブログでしたが。。。還暦を迎え自然農にはまり、自然からの恵みや日々の気づきを気ままに綴っております。

日本の米作り

2024年07月24日 | つぶやき

田起こし
畦塗り
苗代作り
代掻き
田植え
水の管理と害虫、病気、雑草の駆除と対応
稲刈り
乾燥
脱穀
精米してやっと食べられるようになる

知っているだけでこれだけの手間
他にも知らない手間があると思う
これも五名倶楽部に関わらなければ知らなかったこと。
米作りは一朝一夕にできるものではない

子どもの頃農家の苦労を知らない私は、「お百姓さんは、仕事に行かんでもご飯食べられるんやなぁ…うちも田んぼがあったら良かったのにね」と言った事がある

その時、曾祖母から
「米という字はこう書くんやで。八十八で米になるやろ?」
「八十八もの沢山の人の手間がかかって、その人達の知恵が詰まった食べ物なんや」
「だからお米を粗末にしてはいかんよ」
「みんなのために大変な仕事をするお百姓さんは偉いんやで。だから最後の一粒までお百姓さんに感謝して食べなさい」
と言われて育った子ども時代
曾祖母っ子で、祖父に末娘のように育てられた私は同年代よりもかなり感覚がズレていたと思う(今も親世代の方が話が合う) 

曾祖母の生きた時代はお米が主食だった
命を繋ぐ重要な食べ物だった

それが敗戦後、アメリカから小麦の輸入するためにパンを学校給食に導入し、御用学者を使って「米を食べるとバカになる」というデマを流し、日本人の米食文化を壊していった。

多くの日本人が米を作る苦労から解放され、自然への畏怖と感謝を忘れ、代わりにお金による支配と傲慢さを身につけたのかもしれない。

食糧自給率より自動車や工業製品の輸出を重視した結果、工業技術や科学技術は進歩し、戦後景気と人口増加で景気は上向き…作ればなんでも売れる時代。「消費は美徳」とまで言われ、経済発展は日本人を愚かで傲慢にした。
田畑は住宅地になり、誰も一次産業の重要性をかえりみなくなった。
その結果の大気汚染や水質汚染の環境破壊の昭和時代

便利な生活には、お金がかかるようになり…田畑を継げない農家の次男三男は、お金を稼ぐ為に工場や金融、サービス業へ流れた。
多くの人が農業よりも、楽に確実に稼げる仕事に移っていった昭和時代。

そして農業は、生産性を高める為に機械化と農薬に依存する慣行農業に代わっていった。

当時は気づかなかったけれど、全てはトルーマンの思惑通りに進んでいった…

経済大国の仲間入りをした日本が払った代償は環境破壊と病気の増加そして家長制度の崩壊
核家族から個(孤)の時代へ移っていった

身勝手な自由と引換に多くのものを失った平成の時代。介護や育児…家の中で片付けられていた問題が表面に出て、精神疾患が増えた時代。

日本人は幸せになったのだろうか?

農薬の使用で田んぼに見られた水性昆虫は激減
それを捕食する鳥達も姿を消した
益虫が減り、代わりに農薬や除草剤に耐性を持つ害虫や雑草が蔓延る…強い薬を開発するとまた耐性を持つ…堂々巡りのイタチごっこ

農業は工業のように、努力すれば必ず生産性を上げられるものではない。努力しても不作の年や災害時には収穫できないこともある。

それでもお百姓さんや一次産業の従事者は全てを受入れ、堪えて腐ることなくまた作り続ける。自分の為だけでは到底できない。みんなの為に行うこの労働と精神力を曾祖母は「偉い」と言った。

高学歴になって賢くなったけれど、偉い人は減った
一次産業に就く為には学歴は必要ない。
学歴など役に立たないから。

重要なのは、学歴よりも知恵と経験。
自然を相手にする一次産業は、心身共に健康で感性豊かな偉い人にしか就けない職業。
損得を中心に考える高学歴の賢い人にはできない仕事なのだ。
一次産業は自然が相手だから、国が保護しなければやっていけないのに国はそれを見捨てた。

米余りの時も、小麦の輸入は減らさず米の減反政策を選んだ。いかにも数字中心の賢い人が考えそうな浅知恵だ。
食糧自給率から考えたら自殺行為でも、新しい事は良いことだと思い込まされていた日本人。
農業や林業、水産業などの一次産業は古い。(儲からない)
これからはお金を稼ぐ賢い人が、日本を豊かにすると誰もが疑わなかった。
家の手伝いをせず勉強ばかりして高学歴を目指した為に、五感は鈍り親から子への伝承は絶たれた

日本人は幸せになったのだろうか?

欧米は、それでも農業を手厚く保護している。それは食糧自給率が国の存亡に関わる事だと知っているから。日本のような愚かな政策はしていない。

その結果がこれだ…
どうする?

AIの普及で事務の仕事はほとんど無くなる。今の公務員が必要なくなるのであれば、一次産業従事者を全員公務員にして、収入の保障をしてあげればよい。
そうでもしなければ、志があっても一次産業に就く人はいなくなる

外国人労働者に日本の農業のノウハウはない。農業の知識と経験を持った人がいるうちに手立てを考えねばならなないと思う。





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