宮古島の書店の郷土本コーナーの片隅に置かれてあるローカル本で
「ぴるます話」という題名の本がある。
「ぴるます」とは、宮古島の方言で「不思議な」という意味。
カンカカリャの比嘉さんというオバァが見聞きしたり体験したことを
本にまとめてある。
カンカカリャとは「神がかり」という意味。
ユタを生業にしているけっこう有名なオバァである。
他の人の不思議な体験談もある。
その中の一つにあの世からの誘いというのがある。
1987年7月新里青年会が主催したミニトライアスロンというのが行われた。
水泳1キロ、自転車32キロ、マラソン10キロが行われる予定だった。
シギラビーチでスタートが切られた。
この大会には52名の選手が参加した。大会当日、前日に東シナ海に台風が発生して、
その影響で沖合はシケており、時折高波が岩を打ち砕いて白い波飛沫をあげていた。
しかし、水泳コースになっている湾内は干潮に向かっていたので穏やかだった。
しかし、水泳競技で高波がきて11人が波にさらわれ、監視船も転覆した。
その結果二人が死亡し八人がケガを負った。実はこの大会のレスキューとして
参加していたので一部始終を目の前で見ていた。
11人が高波にさらわれたとき他の参加者も大波に飲まれるように全員が
溺れかけていた。岩に泳ぎ着いた人は岩に叩きつけられて、
それはひどいものだった。
その大会に参加した人の中には前日に夢を見たり、事故を予測されるような
現象を体験した人の話しも載っている。この事故は台風の影響はもちろんであるが、
事故が起こったシギラビーチには神が現れるといわれる岩がある。
この岩が人為的に割られたことで神が怒ったことが原因ともいわれている。