ほとんど台風の被害はなかった。
とはいえ、与那国島や八重山、久米島は、かなりの被害が
出ている。
今年の台風のとくちょうは近海で発生した熱帯が急激に
発達して猛烈な勢いで足早に通り過ぎた。
直撃を受けた島では風速60mを超えていたところもある。
日本の気象コンピューターが、風速50m以上の台風が
都心を直撃すると予測している。
ただし、それがいつなのかは発表されていない。
このコンピューターは世界のあらゆる台風や異常気象を
的中させていることでも知られている。風速50m吹けば、
ビルの谷間を抜けるビル風は70mを超えるところも
出るだろう。
二十数年前、台風の直撃を受けて風が強くなってきたので、
陸揚げしている船のロープを再度固定しに港に行った。
漁師仲間と協力して船を固定しているそのとき、一人が風に
飛ばされて飛んで行った。落ちたところが海だったので
幸いにも怪我をしなかったが
まるでその光景はスローモーションのようだった。
50m以上の風が吹けば人が飛ぶ。嘘のようなホントの話。
沖縄の人が傘をささないのは、台風の雨には傘は
意味をなさない。
むしろ、傘などは飛ばされると凶器にもなる。
台風では信じられないようなことが起こる。
部屋の畳が吹き上げられてひっくりかえったり、車が空き缶の
ようにコロコロ転がる。
濡れた新聞紙が飛んできてガラスが割れる。
沖縄で、こんな話をすれば当たり前と笑われるが、
都会では信じられないような話だろう。
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