離島で集落が存在するのは「井戸」の周辺に
人が住み始めたからと言っても過言ではない。
琉球の時代から平良が栄たのは港に適していたのと、
何よりも地下水が豊富だった。
市内には今でもたくさんのガー(井戸)がある。
本土の人が井戸と言って思い浮かべるのは、
丸い穴が掘られてあって腰の高さくらいまで
石が積まれている。天井には滑車があって縄で縛った
桶を井戸の底に落として水を汲む。
沖縄の井戸は本土と違って、両手に桶を持ち湧き水が
わく地下まで水を汲みに降りていく。
長い階段を使って湧き水がわいているとこまで
降りていくので「降りガー」という。
昨年の夏に本土から遊びに来た人を案内して市内
でも有名なガーに行った。真夏だというのにひんやりと
した空気が漂い肌寒く感じるほどだった。
昭和30年代くらいまで実際に使われていたそうで、
ガーには常に人が集まり人が絶える
ことがなかったそうだ。史跡として指定されているが、
使われなくなったガーには人が来ることがほとんどない。
見学に行くときは真夏でも肌を露出しない服装が必要。
出来れば行先のガーを誰かに伝えて言ってからの方がいい。
急な石段を下りていくのはかなり危険で、滑って転んで
大声をあげても気づかれない危険がある。
ガーの中は街の音が消えて独特の雰囲気が漂っていて、
誰もいないのに当時の人の話し声が聞こえて
くるような気がする。
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