ハイペースですが、コーナー解説の3回目です。
Ⅲ 厚く重く
当時の独立美術協会では、スペインの画家アントニ・タピエスに傾倒した画家たちが、「壁派」と呼ばれる厚塗りの絵を描いていた。森も、とにかく厚く重く、重量感のある絵を描きたいと制作に励む。
絵具は厚く塗るとかたまりにくく、また絵具代もかかることから、ベニヤ板の上などに石膏とボンドを練り合わせたもので形をとり、絵を描いた。森はこれを、テンペラならぬ「テンプラ」と呼んだ。1962年(昭和37)の30周年記念展で≪青い化石≫が独立賞と30周年記念賞を受賞、翌年の独立展には≪化石二つ≫と≪黒い化石≫を出品し、独立美術協会会員となった。
当時は、保存など考えず、夢中で絵を描いた。何十枚もテンプラを描き、十数年経って倉庫から出してみると……『もう見るも無残。ばらばらとはげちゃいまして。今ここにある3、4点ともう1点くらいしか、剥脱していない作品はないようなひどいことになりました。』(講演会「自作を語る」より、青梅市立美術館、1996年) 独立展の受賞作も、そのときに消滅してしまったという。
『やっぱり保存ということは考えないと。30代40代でしか描けない仕事、あのムンムンするような、下手くそだけどムンムンするような熱気というものは、やっぱり30代40代にしかない。』(同講演会より)
ここにも書いてあるとおり、独立賞・30周年記念賞の作品は残念ながら壊れてしまったそうですが、当時の白黒写真が残っていたので、今回はその画像を紹介しています。
≪炎の人≫の横に「主な独立展出品作」を小さな画像で紹介しているので、そちらもご覧くださいね。
この時代の作品としては、≪ジュラ紀の化石≫を展示しています。200号の大作で、高さは2.6m。黒を背景に赤褐色の化石が浮かび上がってくるような、ごつごつとした絵肌の作品です。
【とき】
7月1日(金)-8月7日(日) 入場無料
午前10時-午後6時
(入場は午後5時30分まで)
【休館日】
月曜日、7月6日(水)、8月3日(水)
【ところ】
唐津市近代図書館 美術ホール(1階)
【出展作品】
油彩画・水彩画 35点
写真、日記、書籍など関連資料
【主催】
唐津市近代図書館
■唐津市近代図書館■
TEL (0955)72-3467
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町(JR唐津駅南口すぐ)
ホームページ http://tosyokan.karatsu-city.jp/
Ⅲ 厚く重く
当時の独立美術協会では、スペインの画家アントニ・タピエスに傾倒した画家たちが、「壁派」と呼ばれる厚塗りの絵を描いていた。森も、とにかく厚く重く、重量感のある絵を描きたいと制作に励む。
絵具は厚く塗るとかたまりにくく、また絵具代もかかることから、ベニヤ板の上などに石膏とボンドを練り合わせたもので形をとり、絵を描いた。森はこれを、テンペラならぬ「テンプラ」と呼んだ。1962年(昭和37)の30周年記念展で≪青い化石≫が独立賞と30周年記念賞を受賞、翌年の独立展には≪化石二つ≫と≪黒い化石≫を出品し、独立美術協会会員となった。
当時は、保存など考えず、夢中で絵を描いた。何十枚もテンプラを描き、十数年経って倉庫から出してみると……『もう見るも無残。ばらばらとはげちゃいまして。今ここにある3、4点ともう1点くらいしか、剥脱していない作品はないようなひどいことになりました。』(講演会「自作を語る」より、青梅市立美術館、1996年) 独立展の受賞作も、そのときに消滅してしまったという。
『やっぱり保存ということは考えないと。30代40代でしか描けない仕事、あのムンムンするような、下手くそだけどムンムンするような熱気というものは、やっぱり30代40代にしかない。』(同講演会より)
ここにも書いてあるとおり、独立賞・30周年記念賞の作品は残念ながら壊れてしまったそうですが、当時の白黒写真が残っていたので、今回はその画像を紹介しています。
≪炎の人≫の横に「主な独立展出品作」を小さな画像で紹介しているので、そちらもご覧くださいね。
この時代の作品としては、≪ジュラ紀の化石≫を展示しています。200号の大作で、高さは2.6m。黒を背景に赤褐色の化石が浮かび上がってくるような、ごつごつとした絵肌の作品です。
【とき】
7月1日(金)-8月7日(日) 入場無料
午前10時-午後6時
(入場は午後5時30分まで)
【休館日】
月曜日、7月6日(水)、8月3日(水)
【ところ】
唐津市近代図書館 美術ホール(1階)
【出展作品】
油彩画・水彩画 35点
写真、日記、書籍など関連資料
【主催】
唐津市近代図書館
■唐津市近代図書館■
TEL (0955)72-3467
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町(JR唐津駅南口すぐ)
ホームページ http://tosyokan.karatsu-city.jp/