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川村清雄が油彩で描いた《御所車》・・・「Kin Colle!-来て、見て!近図コレクション-」(12/17まで)

2017年11月29日 | 展覧会
川村清雄《貴賤図(御所車)》 明治31年(1898)頃
※画像の無断転載はご遠慮ください。

川向こうの行列を、女性と子どもが眺めています。
御所車のかたわらには7人の従者。はるか山向こうに見えるのは京の都の五重塔でしょうか。
木々の緑がみずみずしく、美しく水面に映えています。
淡くさわやかな色彩で描かれた穏やかな情景は、平安朝の昔を彷彿とさせます。
油彩で日本的な情緒を表現した画家の代表作のひとつです。

この絵の作者は、川村清雄。
ペリー来航の前年、嘉永5年(1852)に江戸に生まれ、幼少時より画才を示しました。
明治4年(1871)、政治や法律の研究を目的に徳川家の派遣留学生として渡米しますが、周囲のすすめにより画学研究を決意。
パリやヴェネツィアで本格的に画技を学びます。
明治14年(1881)の帰国後は、油彩画の技法に日本画の感覚を融合させ、独自の美意識を盛り込んだ絵を描きました。
勝海舟の厚い援助を受けた画家であり、徳川将軍像や天璋院(篤姫)、福澤諭吉らの肖像画を描いたことでも知られます。

さて、そんな画家の作品がなぜ唐津にあるんでしょう?

川村は、海軍省の仕事をきっかけに、海軍大尉小笠原長生(1867-1958)と知り合いました。
長生は、最後の唐津藩主小笠原長国の孫であり、江戸幕府老中小笠原長行の長男です。
この《貴賤図(御所車)》、東京の小笠原邸で制作されたものなんです。
このとき、川村は日本画家の橋本雅邦とも出会いました。
そして翌年、日本初の個展といわれる「川村清雄氏揮毫油絵展覧会」を東京・谷中の日本美術院で開催することになります。

当館でも数年おきにしか展示していないこの作品、今回は4年ぶりの登場です。
今回見逃したら、次は数年後……かも?!


〇「Kin Colle!-来て、見て!近図コレクション-」ポスター

〇唐津市近代図書館ホームぺージ「Kin Colle!-来て、見て!近図コレクション-」


唐津市近代図書館開館25周年記念
Kin Colle!-来て、見て!近図コレクション-

【とき】

  11月18日(土)-12月17日(日) 入場無料
  10時-18時

【ところ】

  唐津市近代図書館 美術ホール

【休館日】

  月曜日、11月23日(木・祝)、12月6日(水)

【入場料】

  無料

【出展作品】

  絵画30点、彫刻2点、素描・リトグラフ等8点  計40点

【出展作家】
 
  長谷川雪塘、川村清雄、牧原萬之助、山口長男、築山節生、石本秀雄、
  秋玲二、村岡平蔵、内山孝、森通、高﨑文夫、楢崎重視、
  三塩清巳、熊川昭典、杉本好守、宮﨑曠代、大須賀万里子

【主催】
  
  唐津市近代図書館



■唐津市近代図書館■
TEL (0955)72-3467
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町23番地(JR唐津駅南口すぐ)
ホームページ http://www.city.karatsu.lg.jp/kyoiku/toshokan/

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