それなりに稽古もしたし、能の歴史や体系も学んだけど、
卒業後はフェイドアウトするように能から離れた。
けれど、果敢にも(無謀というべきか?)、
能の世界に飛び込んでいった先輩や後輩がいる。
今般、プロの能楽師になった後輩が『道成寺』を披いた。
素人解釈で言わせてもらうと、
『道成寺』は最高峰の演目に位置している。
彼にとっても特別な演目にちがいなく、
『道成寺』を披いたことは
彼の能楽師としてのフェイズを更新したことになると思う。
この演目のクライマックスのひとつは「鐘入り」という所作なのだが、
その鐘入りの際に他流派だと鐘の直下から入るのが一般的。
櫻間家では「斜入」と称して斜めから鐘に入る。
これは非常に危険で、
タイミングが合わないと鐘にぶつかるだけでなく、
下手をすれば釣鐘の下敷きになってしまう。
ことに金春流、とりわけ櫻間派にとって、
『道成寺』はさらに特別な存在だろう。
世襲、血脈主義がメインストリームの伝統芸能の世界で、
二十歳を過ぎてからその道を歩くことの困難さは言うまでもない。
僕は観能にいけなかったが、聞くところによると、
舞台は大成功で、能楽堂もフルハウスだったとのこと。
夢を叶えた後輩に最大限の祝意を贈りたい。
おめでとう!
The Dream goes on
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