世界一周の記録

2006年8月から2008年9月まで2年1ヶ月の世界一周放浪の旅をしていました。その旅の記録です。

アルケミスト

2010年11月27日 01時03分08秒 | 帰国後



世界一周旅行に出発する時、日本から7~8冊くらいの本を持って行きました。
その多くが英語の勉強のために日本の本屋で買った英語の本でした。
しかし旅の最初の町アムステルダムの宿に、その本たちを、いきなり置き忘れてしまいました。
彼らは、ほとんど全く読まれることなく、どこかに去って行ってしまいました。
2番目の町デンハーグで宿にチェックインして、荷物を開けて、この事実に気付いた時は本当にびっくりしました。旅のスタートで露見した余りの自分の情けなさに恐れおののき震えあがりました。(結果的には、荷物が1.5kgくらい軽くなったので、その後の旅は楽になったのですが。)

この時、1冊だけ紛失せずに残ったのがパウロ・コエーリョのアルケミストという小説でした。
パウロ・コエーリョというのは、旅人の間では聖人のように扱われている作家で、アルケミストは、彼の代表作であり、(特に旅人の間で)かなり有名な小説です。
しかし、旅行前の僕は、その存在を全く知りませんでした。
出発前に本屋にて、英語の勉強のための英語で書かれた小説を探している時に、たまたま手にして買った本でした。
あらすじも内容も全く知らず、”本屋のおすすめ!”みたいなコーナーに置いてあったので特に深く考えずに買いました。

ところが、この本の内容はびっくりするくらい海外長期一人旅に適した本でした。
英語の小説なので読むのに凄く時間がかかりましたが、1ページ読み進めるたびに、何かを深く考えさせられる内容でした。

ヨーロッパで読み始めたのですが、結局読み終わったのは数ヵ月後の、アフリカ中盤戦ルワンダの首都キガリでした。ホテルの中庭で朝食を食べた後に紅茶を飲みながら読んでいたのですが、読み終わった後、しばらくは感動でその場から動けませんでした。

そして読み終わった3日後くらいにタンザニアで睡眠薬強盗に遭いました。その時は、悔しさで頭がいっぱいで気が狂いそうだったのですが、あれから3年半経って、今になって思えば、”それまで順調に進んでいた旅が睡眠薬強盗で何の前触れもなく、いきなり頓挫する。でも、そのことで色んなことが学べ、その後の旅がさらに良いものになった”という事実は、小説に書かれていることと、どこか合致します。なんとなく、ですけど。

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ところで、今は、あの時アムステルダムの宿に置き忘れた本の一つ、Holes(by Louis Sachar)を
改めて買いなおして読んでいます。なかなか面白いです。

まあ、今回のブログは、特に何が言いたいというわけではないのですが、久しぶりにブログを書いてみようと思って、ふと思いついたことをだらだらと書いてみました。

では、みなさん、ごきげんよう。



(写真は、始まりの町アムステルダムとルワンダのキガリ(提供GOLCO31様))