旅とエッセイ 胡蝶の夢

横浜在住。世界、50ヵ国以上は行った。最近は、日本の南の島々に興味がある。

ヤンゴン徒然  ②ほっぺに白丸

2020年09月26日 09時52分47秒 | エッセイ
ヤンゴン徒然 

 ②ほっぺに白丸

 女性の化粧で、ほっぺたに赤い丸。韓国の時代劇で見た。昔の結婚式で、ほっぺたとおでこに割と小さな丸を描くらしい。これって中国でもなかったかな。女官とか後宮の美女とかで。

 これを最初に見た時には、強烈な違和感、おバカ感を抱いた。子供じゃあるまいし。でも、俺が間違っていたのかも。

 ある朝、ニイニイ先生が両ほっぺに大きな白いまん丸をつけて現れた。うっ、可愛い。一発で萌えた。

 これはタナカです。ミャンマー女性が普通に行う化粧というか、日焼け止めというか。中には顔中に塗って、白塗り面のおばちゃんとかが、野菜と売っている。葉っぱの形に塗ったりもする。

 タナカという木の枝(かなり太い)が売られていて、硯のようなものですりおろすと、粘っこい液状になるんだ。それをつけると、スースーして気持ちが良いらしい。大人の男性はつけない。





 ほっぺやおでこを白いした娘さんは愛らしい。でもニイニイ先生のタナカは、見事なまん丸で、しかもでかくて濃い。朝一番で彼女の顔を見たら、アっと思って言葉を失い、気の利いたことを言うタイミングを逸した。

 その日は、直接目が合わない角度からニイニイ先生を何度もチラ見した。子供のイタズラのようなほっぺの白丸が何とも可愛い。

 ニイニイ先生は、元々たいへんな美人だが三十路超え。そそっかしくてあけっぴろげな彼女をよく知っているから、普段は面白いとは思っても、セクシーには感じない。でも今日は違う。
 後で聞いたら、スズイさんも全く同じ気持ちだったって。ニイニイさん、またやってくれないかな、あの白丸ほっぺ。

 一歩間違えば、頭おかしいんじゃないの、といった奇抜な化粧が、こんなに効果があるものだとは。

 女官にしろ後宮にしろ、最初に赤丸をやった女の子は、周りに女性から総スカンを食らったにしても、直ぐに王様に呼ばれたに違いない。でも、だからといって、誰もが真似たらいかんよ。皆でやれば、集団発狂。


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