旅とエッセイ 胡蝶の夢

横浜在住。世界、50ヵ国以上は行った。最近は、日本の南の島々に興味がある。

小さな友達

2016年02月23日 18時08分57秒 | エッセイ
   小さな友達

 小学校の同級生は、大てい商売をやっている家の子だった。豆腐屋の◇★ちゃん、中華料理屋の□×君、棺桶屋の☆▲ちゃん(変わった職業だがこのお父さん、学校のウサギが死んだ時に小さな棺桶を作ってくれた。)そして自分は洋服屋だった。朝鮮人の子は家が貧しくて、小学生なのに朝、牛乳配達をやっていた。彼とはよく喧嘩をした。中国人とのハーフ、両方とも父親が中国人の子がいた。男の子の王君は自分の親友の一人で、後にx◎君と日本人の名字になった。親が離婚したのかただ名前を変えただけなのか、子供ながらに頭を捻ったが、まあいいかとそのままにした。
△さんは頭が良くて活発、それでいておしとやかなお嬢さんで、実は自分の初恋(小学校2年の時に同級になった。)の相手だ。土壁で出来たような、円い小さな家に住んでいた。妹さんがいて、これまた美人で頭が良い。皆に好かれるタイプ、友達でいるのが誇らしいのね。△さんの家の前にある空き地は、三角ベースボールのフィールドの一つだった。自分らガキ共が遊んでいると、土壁の家からお母さんが出てきて、よく冷たい麦茶とかジュースをくれたもんだ。
この△さんは女優になった。今ではTVに出て大ていの人は知っている。自分は大学生の時、ふとした折に彼女の名前を何かの演劇の出演者の中に見つけた。変わった名前だから彼女に違いない。けれども当時はインターネットなんて便利なツールは無かった。舞台演芸の世界なんて縁が無いから、そのままになってしまった。
社会人になって直ぐの頃、その話をしたら友人が興味を持ち、どうやったのか彼女の出演した映画のタイトルを見つけてきた。すごいや、主演女優だ。中野のマニアックなビデオレンタル店で、その映画をやっと見つけて二人で見た。びっくりしたなー、もー。おしとやかで、子供ながらに品の良い彼女のイメージと似ても似つかない、ぶっ飛んだアバズレ役の彼女がスクリーンで熱演していた。うーん、ちょっと裏切られたような気がした。変な話だけど。
その後10年以上経ち、彼女はTVに出るようになった。今ではファンです。彼女が出始めた頃は、よくTV番組覧を見て名前を捜した。女優さんが初恋の相手で幸せ。多謝您!

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