ヤンゴン徒然
⑥ ニイニイさんとエリ
カチンのエリを日本昔話に登場させたが、実際のエリザベスは現代っ子だ。受付に先生たちがゴロゴロしている時、エリがニコニコしながらスマホを開き、うーん、カッコいい!
「ノー、ノー、エリ、これはいかんぜよ。ノー。」そこには、金髪・逆立つ長髪、鼻の脇にピアスを付け化粧をした、たぶんミャンマー人の男性アーチスト。
この男を紹介されたら、100人中99人の父親が断固反対するに違いない。普通の男なら、こいつに10人中8人は反感を持つだろう。ヤメロ、女の敵だ。
自分の強いノーに、みんなで笑っていたから、からかわれたのに違いない。
もっとみんなのこと、ヤンゴン日本語学校の日常を描きたいのだが、許可をもらっていない。ニイニイさんには、日本で有名になるかもよ、と言ったらニターと笑った。
ボスのスズキ青年。彼は無から一人で、4つの語学学校を立ち上げた。自力で作ったシンガポールの二校は、共に部下にだまし取られた。彼は、コンピューターの知識が半端じゃあない。若いころ、長い間引きこもっていたんですが、その時にパソコン2台潰しました。それも凄いが、いったいどうやったら異国で学校を作れるんだ。
ナンダー不思議ちゃん。ナンダーのブラックホールに踏み込みたい。この娘は、エピソードの宝庫だ。それからガッツ娘のティダ。かわいい我が生徒たち。
さてニイニイさんが、受付の脚の長い丸椅子に、体をくにゃっとした胡坐で座り(正面からは、姿勢よく座って見える)、何やらパンフレットを見ている。あっそれ、この前俺が貰ってきたやつ。新幹線のパンフだ。
「ねえ、キタさん。これ、このご飯の上に載っているのは、小さな魚よね。これはバンブー(筍)で、こっちは卵。これは何?あとそれは?肉よね。何の肉?豚肉?牛肉?どんな味?」ニイニイさんが見ているのは、車内販売の高級弁当の写真だ。ジャコ飯の幕の内風のお弁当だ。ニイニイさん、新幹線や富士山には目もくれず、空想で弁当を食っている。うーん、綺麗なランチボックス。こんな味かな、それとも。
ハイハイ、ニイニイさん。貴方が来日したら、いろいろとご馳走しますよ。ニイニイさんが日本で美味しそうに食べる姿を想像したら、こっちが楽しくなる。
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