雑踏事故後に客足が途絶えた梨泰院…64店中29店が閉店 /ソウル
「お客さんが2-3日に1人来るかどうかなので、店を開ける意味が
ないでしょう。梨泰院が復活するまで待つのは難しいです。
京畿道九里市に住んでいますが、今年後半ごろにはここを出て、
うちの近くで店を出そうと思っています」 通りにある広さ85平方メートル
(約26坪)という地下の店で26年間にわたり服を売ってき
たシムさん(58)は、客のいない店の中でボーッとしたまま座り、
ため息をついて語った。
シムさんは「先週、不動産屋にこの店を出しました」
「今も借金をしながら店を営業していますが、あまりにも苦しいので、
『梨泰院を出ていかなければならない』という考えしかありません」
と言った。
シムさんの店がある梨泰院の中心街「世界グルメ文化通り」と、
そこにつながるハミルトンホテル横の路地で「ハロウィーン雑踏事故」が
発生して約4カ月たった。
その間にほとんどの場所で新型コロナウイルス感染症予防のための
室内マスク着用義務が解除されるなど日常生活が戻ってきて、
春の訪れも感じられるようになったが、
梨泰院には依然として冷たい風が吹いていた。
人々が戻ってくる様子がないため、商店主たちは1人、また1人と
この街から去りつつある。
今月21日午後7時ごろにやって来た世界グルメ文化通りは、
本当なら人々でにぎわい、商売も最も忙しい時間帯のはずだが、
人の気配はほとんどなく、冷たい空気ばかりが漂っていた。
約300メートルに達するこの通りにある64店のうち、29店は店を閉めている
状態だった。
4店は建物内部が空っぽで、残りの店も多くはさまざまな張り紙があったり、
扉にほこりがたまったりしており、長い間営業していないことが分かる。
郵便受けに電気料金や水道料金などの請求書が14通も挟まっている店や、
竜山区庁が昨年12月ごろに送った「梨泰院事故関連商店主被害届受付申請
案内」の用紙がほかの請求書と共に入り口付近に散らばっている店もあった。
事故現場のすぐ前にある梨泰院駅1-2番出口周辺260メートル余りの
通りでも、約40店のうち十数店は営業していなかった。
このうち1店には「電気料金が約6万ウォン(約6200円)未納のため、
2月16日以降は電気が止まる」という案内文が店舗入り口に貼られていた。
ドラマ「梨泰院クラス」に出てくる居酒屋「단밤포차」
営業している自営業者たちの中にも、梨泰院を離れなければならないと
考える人が少なくない。
梨泰院駅近くのある洋服店の窓には、紫色と赤の文字で「倉庫整理」
「セール」と書かれた紙がびっしりと貼られていた。
この店の経営者キムさん(60)は来月末、ソウル市麻浦区に店を移すことを
決め、在庫整理をしようとセールを始めた。
キムさんは「19万ウォン(約2万円)で売っていたコートを
3万ウォン(約3100円)で売りに出しても見に来る人がいない」
「梨泰院が好きで13年間、この店を守り商売をしてきたが、
もう商売をする気力がない。梨泰院の悪材料に疲れた」と話した。
梨泰院で7年間アンティークショップを経営してきたキムさん(66)は
ガラスのショーウインドーに「賃貸」と書かれた紙を自ら書いて貼り、
借り手が付くのを待っているという。
キムさんは「事故以降は客が来なくなったので、もうここで商売することは
できないと思った」「店を借りる人が現れたら少し休んで、
ほかの街で店を開くつもりだ」と語った。
新たに店を開くという人がいないため、泣く泣く業種を変えてかろうじて
商売を続けている人もいる。
梨泰院で7年間、牛ホルモン店を経営していたキムさん(67)は、
店を改装して定食屋に造りかえているところだ。
事故後、客の80%近い20-30代女性が全く来なくなったためだ。
キムさんは「梨泰院から出ていきたくても、店の買い手や借り手が付かない」
「近くに工事現場が2カ所あるので、そこの作業員たちが安く食べられる
定食店にしようと改装している」と語った。
梨泰院クラスが人気だった頃は、たくさんの人が訪れていただろうし・・・
日本からの観光客も多かったと思う。
私も、訪韓できるようになったら、是非ともいってみたい街でした。
たくさんの人が亡くなった街に、出かけていって楽しもうとは・・・
やっぱり思わないですよね。
梨泰院が元にもどるには、もっと時間が必要でしょうね。