ならまち奇譚

昨日は、取材があったので奈良町へ。

取材前には、徳丸新作さんのほのぼのアットホームな番組風景を見学し
取材後は、リスナーさんでもあるパステル画家・５＊ＳＥＡＳＯＮさんの
アトリエショップ『りんご＊さん』（南城戸町33）を尋ねてみました(^^♪
音声館横の細い路地を入った、とっても素敵な場所にありましたヨ

そして、夕方の元興寺・地蔵会万灯供養に行く前に
どうしても寄っておきたい所がもう一件だけ。

奈良町に住む60代のヘビーリスナーさん。
いつも彼が手入れする庭で、色々とおしゃべりしていたのですが
スタジオの場所が変わってからは
すっかりご無沙汰しています。

たまに、Ｍスタジオの外から手を振ってくれるので
そのお礼も兼ねて。。。

ところが。。。なぜか庭は荒れ放題。
花壇も草ぼうぼうです。。。嫌な予感がしました。

すると、いきなり背後から
　「もしや、藤田けいさんでは？」と、上品な年配女性に声をかけられました。

彼女の小・中学生のお孫さん達が、熱心なリスナーさんだったので
私にもとても良くして頂いたМさんでした。
施餓鬼供養の帰りだそうで。。。何だか、すごい偶然です。

そして、Мさんご夫妻から
そのヘビーリスナーさんが亡くなったいきさつを
詳しく教えて頂きました。

驚きショックを受けましたが、丁寧にお礼を言ってМ夫妻と別れた後
これまた偶然、奈良町に住むリスナーさん親子に遭遇。
息子さんとお母様から、補足として
もっと詳しく彼の話が聞けました。

プライバシーの関係もあり、詳しく書けないのですが
私や近隣の皆さんが、彼から聞かされていた身の上話や名前は
事実と全く異なっていた事が分かりました。

きっと。。。身寄りのない彼にとって
その作り話は『彼の望んだ境遇』であり
私にも、そう信じて欲しかったのだと思うんです。
だから、これからも私の『彼の印象』が変わることはありません。

ただ、地蔵会万灯供養日の一連の出来事は、
自分が死んだ事と一緒に、懺悔と言うか。。。本当のことを
私に知ってほしかったのかな？とも、思います。


その後、桔梗が咲き乱れる元興寺さんの境内で
沢山の石仏にお参りしながら、色々な事を考えました。

人には、それぞれ事情があり
何でも他人に正直に話す必要はないと、私は思います。
だから、本当の事を知らせてくれなくても良かったのに。。。
とも思いましたが、きっと律儀で
義理堅い人でもあったのでしょうネ

　「いつも、あんたのラジオ聞いてるで」と
顔をくしゃくしゃにして笑っていた彼の事を
これからもずっと、忘れないと思います。